つかこうへい
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つかこうへい(本名 金峰雄(キム ボンウン)、男性、1948年4月24日-)は日本の劇作家、演出家、小説家。福岡県嘉穂郡嘉穂町(現・嘉麻市)生まれ。血液型A型。福岡県立山田高等学校卒業、慶應義塾大学文学部仏哲学科中退。
目次 |
[編集] 概略
大学在学中からアングラ演劇第二世代の劇作家、演出家として活動を始める。在日韓国人であり、このペンネームは、在日韓国人の身分が「いつか公平」になるようにとの思いを込めてつけたとも言われるが、本人は「飛龍伝~神林美智子の生涯」のあとがきの中で、学生運動家の名前がペンネームの由来とも明かし、実際のところは定かではない。長女は宝塚歌劇団雪組の愛原実花。
1974年に戯曲『熱海殺人事件』で岸田國士戯曲賞受賞。1981年に小説『蒲田行進曲』で第86回直木賞受賞。同作は深作欣二監督で映画化され大ヒットした。
[編集] 舞台
台本に書かれた台詞をそのまま覚えさせるのではなく、稽古場で台詞を与えて復唱させる「口立て」という独特の演出法を使う。役者や芝居の流れなど、その時々の反応を見て何度も台詞を変え、あえて決まった台詞を設定しない。「台詞の6割は役者が書かせる」とも言っており、「間だの芸だのいらない。芝居はF1レース。0.01秒間違えると死ぬから、客は見に来る」という独自の持論を決して崩さない。
そしてその舞台は、大音量の音楽に乗せた派手な歌やダンス、登場人物の心の叫びを長い台詞とハイテンションな演技で表現される。多くの脚本がキャストや設定を変えて何度も再演されており、特に『熱海殺人事件』は再演の度に新しいテーマが盛り込まれ先鋭になっている(バージョンとしては、「ザ・ロンゲストスプリング」「モンテカルロ・イリュージョン」「売春捜査官」「平壌から来た女刑事」等)。こうした演出は多くの劇団、俳優に影響を与え、様々な劇団がつかこうへい作品を上演している。
俳優では故三浦洋一、風間杜夫、平田満、加藤健一、萩原流行、柄本明、かとうかずこ、塩見三省、酒井敏也、平栗あつみ、山崎銀之丞、阿部寛、筧利夫、小西真奈美、石原良純、黒木メイサなどが、脚本家では秦建日子などがつかの指導を受けている。
『蒲田行進曲』以外にも『熱海殺人事件』『二代目はクリスチャン』『寝取られ宗介』『幕末純情伝』『リングリングリング』などが映画化されている。
立派なホールがあっても演じる側が育たない風潮を何とかしたいとの思いから、1994年に東京都北区、1996年に大分県大分市で、それぞれ行政の協力を得て劇団を旗揚げ。その他にもワークショップや演劇セミナーなどを各所で開いており、後進の指導にも余念がない。
つかは今まで同劇団に在籍した俳優で「最も扱いにくかったのは?」という質問に「小西真奈美」と答えている。小西は在籍間もない頃からつかと度々口論をしており、「小西ほど演出家に食ってかかる女優は見たことがない。」と語っている。
[編集] 主な脚本
- 初級革命講座
- 熱海殺人事件
- 幕末純情伝
- 広島に原爆を落とす日
- 飛龍伝
- 寝取られ宗介
- いつも心に太陽を
- 蒲田行進曲
- ロマンス
- 二代目はクリスチャン
- この愛の物語
- リングリングリング
- 売春捜査官
- 二等兵物語
- つか版・忠臣蔵
[編集] 関連項目
- 北区つかこうへい劇団