YA-9 (攻撃機)
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YA-9は、ノースロップがアメリカ空軍向けに開発した攻撃機。近接支援に特化した攻撃機であり、A-10との競争試作であった。A-10が採用されたために、量産は行われなった。
[編集] 概要
1960年代にアメリカ空軍は、対空砲火脅威度の高い地域において、多量の爆弾を搭載し長時間滞空できる近接支援航空機を求めていた。この計画はA-X計画と呼称され、大型機関銃を搭載できることも条件にあった。これに、ノースロップとフェアチャイルドは応え、YA-9とYA-10が試作されることとなった。
YA-9は、中翼配置・直線翼の主翼を持ち、ジェットエンジンが胴体脇に2基搭載されているなど、ソビエト連邦(当時)のSu-25フロッグフットによく似た機体形状をしている。固定武装としてM-61バルカン砲が装備されていたが、制式採用の際はGAU-8 30mm機銃を搭載する予定であった。
2機の試作機が製造され、1972年5月20日に初飛行が行われた。しかし、1973年1月18日にA-10の採用が決定し、開発は中逸された。2機の製作機は、短期間、アメリカ航空宇宙局で試験された後、博物館において保存されることとなった。
[編集] 要目
- 全長:16.3m
- 全幅:17.4m
- 全高:5.4m
- エンジン:ライカミングYF-102 ターボファンエンジン(33.4kN)2基
- 乗員:1名
- 武装:M6120mm機銃1門 爆弾など8.3t