XC-99 (輸送機)
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XC-99とはアメリカ合衆国の航空機メーカーであったコンベア社が第二次世界大戦後初の戦略爆撃機であったB-36を原型にして開発したレシプロ超大型軍事輸送機である。
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[編集] 概要
アメリカ合衆国空軍のためにB-36の翼の設計を流用して、2階建ての胴体と組み合わせて開発されたのがXC-99である。この輸送機が最初に飛行したのは1947年11月23日で、その後各種のテストが行われたが、第二次世界大戦後の冷戦が本格化するまでの期間であったため、このような大型輸送機は必要ないと判断され、試作機1機のみでC-99として量産されることは無かった。
しかしながら、当時最大級の輸送能力を持っていたため、試作機でありながら空軍に1949年11月23日に引き渡され、実戦配備された。そのため、1957年に退役するまで7,400時間の飛行が行われた。
[編集] 現状
退役後、テキサス州サナアントニオのケリー空軍基地で展示されていたが、1960年代以降は機材表面のマグネシウム鋼板が劣化したため、基地内の草むらに放置されていた。
1993年にアメリカ空軍が再取得して、国立アメリカ空軍博物館に展示保存するため、2004年から空輸のために解体作業が行われているという。
[編集] そのほか
- Xc-99を民間旅客機にする計画にコンベア・モデル37があった。パンナムから大西洋横断路線用に発注がなされた。もし実現していればボーイング747に匹敵する巨人機になったはずであるが、実際に機体が製作されることは無かった。
[編集] 要目
- 乗員:5名
- 全長:56.40m
- 全幅:70.10m
- 全高:17.50m
- 最大離陸重量:145,000kg
- エンジン:Pratt & Whitney Major レシプロエンジン 6基(3,500馬力X6)
- 最大積載能力:完全武装兵士400名または貨物45,000Kg
- 航続距離:13,000km