Wireless USB
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Wireless USB(ワイヤレスUSB、WUSB)とは、USBを拡張し、有線の安全性と通信速度、無線の使いやすさを融合した技術・規格である。
[編集] 概要
WUSBは、超広帯域を用いる無線技術であるUWB(Ultra Wide Band)を応用しており、物理層・MAC層の規格としてはWiMedia Allianceが推進するMB-OFDM方式を採用している。
2004年2月に、WUSBの規格を策定するための推進団体としてWireless USB Promoter Groupが発足した。同グループには、Agere Systems、ヒューレット・パッカード、インテル、マイクロソフト、NEC、フィリップス、サムスンが参加している。
WUSBでは、通信範囲3メートルで最高480Mbit/s、10メートルで最高110Mbit/sの速度での通信が可能になる。WUSBはスタートポロジを使用し、1台のホストで最大127台のデバイスに対応する。いわゆるDual-role Device(ホストとデバイス両方の機能を持つ機器)にも対応しており、例えばデジタルカメラはコンピュータに接続されているときはクライアントとして動作し、プリンタに直接画像を送るときにはホストとして動作する。
2005年5月にはWireless USB Specification 1.0の仕様が完成したことがアナウンスされたが、ホストとデバイス間の初回の接続手順を定めた『Association Model』の部分の標準化が難航し、結局同モデルの標準は2006年3月に公開された。そのためWUSBを搭載した最終製品の出荷は、早くても2006年後半以降になるものと予想されている。またマイクロソフトも、Windows Vistaのリリース版にはWUSB用のデバイスドライバは収録されないことを明らかにしている。
[編集] WirelessUSB™
Cypress Semiconductor社は"WirelessUSB™"という2.4 GHzのISMバンドを使用したプロトコルを発表しているが、これは上述の"Wireless USB"とは関係ない。WirelessUSBの通信範囲は10~50メートルで、入力デバイス向けに設計されている。現在、ベルキン、ロジテック、バーチャルインクより製品が提供されている。
[編集] 外部リンク
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