TACS
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TACSとはTotal Access Communication Systemの略であり、FDD-FDMA-FMのアナログ方式の第一世代携帯電話方式の一つである。
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[編集] AMPS
AMPS (Advanced Mobile Phone System) は、1983年にAT&T・モトローラが提案して北米標準となった、TACSの元になったアナログ携帯電話の規格である。
特徴としては、次の点がある。
- 搬送波の周波数間隔を30kHz(15kHzインタリーブ)と広く取り干渉耐力を大きくしている。
- 60°指向性アンテナを使用しセルを6セクタに分割し、周波数帯域の繰り返し利用効率の向上と、空中線電力の有効利用を図っている。
2005年現在、北米の人口密度の小さい地域でのローミング方式として、デジタル方式の第二世代携帯電話の多くが対応している。800MHz~900MHzが使用されている。
[編集] TACS
TACSは、AMPSを英国向けに、搬送波の周波数間隔を25kHz(12.5kHzインタリーブ)にし、1984年~1985年に開発したものである。フランス・スイス・スペイン・シンガポール・中国・香港・アフリカの一部で採用されていた。2005年現在、デジタル方式へ置き換えが進行している。
[編集] 日本
JTACSは、基地局を低周波数・移動局を高周波数・間隔を55MHzにしたTACSの日本向け仕様であり、1989年からDDIセルラーグループが導入した。NTACSは、搬送波の周波数間隔を12.5kHz(6.25kHzインタリーブ)にして大容量化したものであり、1991年から日本移動通信が首都圏・東海地方でサービスを開始した。後に、共に au となった。
一時期は地域によっては高いシェアを獲得していたが、デジタル方式(PDC/cdmaOne)への移行で2000年9月限りで停波した。なおIDOはサービス開始当初はTokyo Phone(トウキョウ フォン)、のちにTacs minimo(タックス ミニモ.のちに参入する東京デジタルホンに配慮した改称)、セルラー各社はセルラーホンと呼ばれた。
また、それまでNTTドコモ・日本移動通信で採用されていたアナログのNTT大容量方式 (Hicap) に対し、モトローラ方式と呼ばれることもある。
[編集] 関連項目
- 移動体通信 : 方式間の比較