F64
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f64(えふろくじゅうよん)とは、アメリカ・カリフォルニア(主としてサンフランシスコ)において、ストレートフォトグラフィを標榜した、写真家のグループ。アルフレッド・スティーグリッツの影響を強くうけて、1932年に結成され、1935年まで存続した。「f/64」や「f.64」と表記されることもあり、「f64グループ」と呼ばれることもある。
所属した主要な写真家は、アンセル・アダムス(Ansel Easton Adams; 1902年-1984年)、イモージン・カニンガム(Imogen Cunningham; 1883年-1976年)、ソニア・ノスコイアック(Sonya Noskowiak; 1900年-1975年)、ウィラード・ファン・ダイク(Willard Van Dyke; 1906年-1986年)、エドワード・ウェストン(Edward Weston; 1886年-1958年)などで、通常7名といわれるが、その存続期間中の展覧会に参加した写真家をメンバーに含める考え方もある。
メンバーの中でも、特に、アダムスとウエストンは、ストレート・フォトグラフィの普及という意味において、後世へ決定的な影響を与えている。
なお、グループ名の由来は、カメラにおいて、最もシャープな画像を得られる、レンズの絞りの値である。このことは、ソフト・フォーカスをその基本的な特徴とする従来のピクトリアリスム(絵画的写真)をすて、より焦点のはっきりした鮮明なストレート・フォトグラフィをめざすという、グループの方向性、強い希望を、明確に示している。
[編集] 日本における文献・展覧会
f64に属する個別の写真家については日本でもしばしば紹介されているが(特に、アダムスとウェストン)、現時点までに、日本において、f64自体をメインで取り上げた、書物・展覧会は、存在しない。
なお、海外の主要な文献として、次のものが挙げられる。
Seeing Straight, The f. 64 Revolution in Photography/Edited by Therese Thau Heyman/The Oakland Museum/1992/ISBN 0-295-97219-X