CD不況
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CD不況(-ふきょう)は、世界的に1990年代後半からCDの売上が減少している現象をいう。
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[編集] 要因
[編集] 日本における理由
- 高いまま現状維持されており、この価格はCDが登場した当時とほぼ変わらず、従前のままで硬直化している(登場初期のCDアルバムの価格は約3500~3800円)。
- シングルにおいては1曲のみにして500円で売る曲がある一方で、レンタルCDとの競合(後述)を少しでも遅らせる為にを異なる曲を3曲以上収録し、若干割高にしている曲もある。マキシシングルが普及し始めた2000年頃は3曲以上収録した曲が多く、その影響で値上げした曲もあり、売上アップにはつながらなかった。輸入盤など他レーベルと価格競争に晒される商品は値下げを行っている場合がある。また、ソニー・ミュージックエンタテイメントは8cmシングル普及のため、1988年から1990年代後期までシングルの価格が800円であった。
- レンタルCDの存在
- 買うより約90%安い事と、現状ではメジャーレーベル出版の邦楽の場合、アルバムと異なる曲が3曲以上収録されているシングルが発売日から15日後にレンタル開始なのに対し、異なる曲が2曲未満収録されているシングルが発売日当日からレンタルできるため。洋楽の場合、レンタル時期を発売日から1年後にレンタル開始にすることができ、インディーズは任意の期限にレンタル開始をすることができる。また、録音媒体がカセットテープのみだった当初に較べ、現在はMDや携帯音楽プレーヤーなど、聴感的にCDに遜色ない音源で録音できることも大きな原因である。
- 違法コピーの横行、コピーコントロールCD導入による失敗
- 2002年当時、違法コピーが横行しており、日本ではエイベックスがコピーコントロールCDを導入。その後、東芝EMI等が追随したが、所属アーティストから反発があった事、売上アップにはつながらなかった事、iPod等、パソコンを介して録音するタイプのポータブル音楽プレイヤーが普及するとCDの売上の障害になった事から2004年頃から規制緩和したり、廃止したりした。
- 2006年現在、ジャニーズ事務所所属のタレントがシングル売り上げチャートで異常に強いのは、ジャニーズ事務所が音楽配信をほとんど認めていない(だからファンはCDを買うしかない)のが原因ともいわれる。
など。
また、売り上げが落ち込んで以降、大型CDショップ以外では売れ筋のCD以外の出荷枚数を大幅に減らしているともいわれる。
一方で、かつてのバブル的な売れ方をしていたCD売上が異常だっただけで、CD不況後の売上がむしろ正常に近いという見方もある。