Adobe After Effects
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
開発元: | アドビシステムズ |
---|---|
最新版: | 7.0 / 2006年1月17日 |
対応OS: | Mac OS X、Microsoft Windows |
種別: | Video editing/effects software |
ライセンス: | プロプライエタリ |
公式サイト: | Adobe: After Effects |
Adobe After Effects(アフターエフェクツ)は、アドビシステムズ社が販売している映像のデジタル合成やモーション・グラフィックス、タイトル制作などを目的としたソフトウェアであり、この分野では代表的な存在である。「A.E.」「AE」(えーいー)と略されることもある。
目次 |
[編集] 概要
After Effectsは主に映画の映像編集、CM制作、テレビ、ゲーム、アニメ、Webなどのコンテンツ制作に広く利用されている。
After Effectsは、もともとはアメリカの the Company of Science and Art社で作られた。Version 1.0 が発売されたのは1993年である。the Company of Science and Arts社は1993年の6月にAldus社に買収されたが、この会社も1994年にAdobeに買収され、この時にAdobeはAdobe PageMakerとAfter Effectsの権利を得た。
After Effects のライバル製品にはDiscreet社のCombustion, Apple社のShakeやApple Motionなどがある。
StandardとProfessionalの2種類のバージョンがある。2006年3月現在の最新バージョンは7。
日本では1998年12月、「Adobe After Effectsの達人」(BNN社刊・宗宮賢二著)によって初めて専門解説書が出され、それ以降広まった。
[編集] 機能
- キーイング・エフェクト…クロマキー機能は「カラーキー」「リニアカラーキー」「カラー差キー」「色範囲」など、さまざまな種類が用意されている。ただし、輪郭のちらつきなどは常に問題となり、不十分とされてきた。特にもっとも単純な「カラーキー」などは低品質ということで有名である。高い品質を求める場合には「Primatte Keyer」などのプラグインを追加して使用されるのが一般的である。ただしver.6.0からKeylightという高性能のクロマキーのプラグインがバンドルされ、注目されている。「異なるマット」と呼ばれるディファレンスキーの機能もあり、映像の中から動いているものだけを抽出することも可能である。
- ペイント・エフェクト…ver.6.0から「Adobe Photoshop」のような本格的なペイント機能が装備された。映像の一部を塗ったり消したりするという作業が細かく出来る。バレ消しなどにも非常に有効である。After Effectsは頻繁にAdobe Photoshopで制作・加工した画像を使用することが多いため有意義な機能追加であった。ただし処理に時間が掛かるなど、改良の余地はある。以前はAfter Effects内でペイントを行うには「Cult Effects」などのプラグインを使用する必要があった。
- タイトル・エフェクト…ver.6.0からAdobe Illustratorのような文字デザインの細かい指定が可能になっている。もちろんそれ以前にも機能はあったが、やはりIllustratorで制作したデザインをAfter Effectsに持ち込んで合成したり動かしたりするということが多かった。
- レンダリング・エフェクト…稲妻、レーザー光線、レンズフレアなどの視覚効果を映像に追加できる。レンズフレアに関していうと種類が少ないため、現在でも「Knoll Light Factory」というレンズフレア専用のプラグインを追加して使用することが多い。
- シミュレーション・エフェクト…ver.5.0から「シャター」「カードワイプ」など、3DCGで制作されるような3次元的にはじけるような映像が可能になった。これらはもともとは「ATOMICPOWER Evolution」というプラグインの機能の一部であった。また、簡単なパーティクル機能も付加された。
- トラッキング機能…映像の中で動きのあるものを分析する。スタビライズ機能など。
[編集] 欠点
Adobeが開発する類似の映像編集ソフトPremiereと比べると、音声編集部分にノイズが発生するなどの不具合があり、特殊な音声素材をコンポジットに組み込んだり、-100db のエフェクトを加えると、映像素材を組んだプロジェクトファイルまるごと破損する危険性がある。また、Premiere自体もAfter Effectsに比べて画像フィルター機能に欠点がある。PremiereとAfter Effectsの利点を融合させた映像編集ソフトを一から開発することが強く望まれるが、Adobe側には未だに両ソフトを統合する動きが無い。
また、RGB各色8bitで作業を進め、フィルターを多数駆使すると、マッハバンド(階調割れ)が発生する不具合も未だ放置されたままである。映画イノセンスなどではこの不具合に対抗するため各色16bitで処理を行い時間短縮のために大量のマシンが使用された。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
カテゴリ: アドビシステムズ | 画像処理ソフト | コンピュータグラフィックス