鷺沼プール
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鷺沼プール(さぎぬまプール)は、川崎市宮前区土橋にかつてあった川崎市水道局運営のプール施設。2002年に廃止された。
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[編集] 概要
1968年に東急田園都市線の鷺沼駅に隣接する鷺沼配水池の上部に庭園式プールとして開設された、市内最大の面積を誇るプール施設であった。運営は川崎市水道局。
2002年に惜しまれつつ廃止。跡地は小学校・公園等の建設用地となり、このうち小学校は土橋小学校として2006年4月に開学。
[編集] 開設当時の状況
敷地総面積40,000平方メートルの中に幼児用から大人用まで5面のプール(子供用プール、Aプール、Bプール、Cプール、六角プール)が作られていた。一般的な25mプールは無い。子供用、A、B、C、六角の順に深くなり、六角プールは大人専用であった。
屋外にあるため、夏季のみの営業。期間は例年7月10日~8月31日(期間中無休)。
入場料は終日利用で大人1000円・子供400円(廃止時)。
[編集] 廃止
2002年に廃止され、跡地は川崎再生フロンティアプラン宮前区別計画のひとつとして、子供用のプール跡地に鷺沼ふれあい広場・フットサル場が建設され、また六角プールの跡地には川崎市立土橋小学校が建設された。
- 廃止の理由は施設の老朽化により大規模修繕が必要であることや、レジャーの多様化等で入場者数が減少し約20億円の累積赤字が生じていたため川崎市の水道事業の運営に悪影響を及ぼしていたことによる。
- 最終2002年は最多来場者数を記録した1984年の2割強に当る約10万8千人にとどまった。
- 終盤には廃止の撤回を求める署名などが行われたため、料金の値上げなどによる維持策がとられたものの、周囲の就学人口の増加によって小学校を新設する土地が必要であったことも重なって、結局廃止された。
- 近隣の小学校は生徒数1000人を超える大規模校で、生徒数増加が問題となっていた。
- 廃止に対しては周辺住民の反対活動が行われた。公共性の高い普通の市民プールに黒字を求める考え方に疑問の声が呈されたようである。
[編集] 跡地利用
現在は、水道局の専用施設を除いた部分を、「教育ゾーン」(約1.5ha)、「福祉ゾーン」(約0.4ha)、「広場・公園ゾーン」(約0.7ha)、そして民設民営の「運動施設ゾーン」(約0.5ha)に分けられ、それぞれに施設が建設されている。 建設された施設は以下の通り
なお、公の土地利用としてフットサル場のように必ずしも万人向けの設備とは言い難い利用がなされていることには疑問の声もあるようである。土橋小学校は周辺のモデル校とするためエアコン完備などの豪華な仕様になり、隣駅にある富士見台小学校とともに人気が出ているようである。
- なお、市は鷺沼プールは鷺沼配水池の上部用地を有効活用したもので、運動広場・公園ゾーン及び教育ゾーンの一部は水道の配水池の上部であるため、民間への売却や賃貸はできないとしている。
[編集] 交通
- 東急田園都市線鷺沼駅徒歩3分
- 入口付近の道路はプール営業期間内のみ一方通行の交通規制が行われ、その旨道路標識にも記されていたが、廃止とともに解除されている。
[編集] 余談
- 宮前区内の小学校では小学生に利用割引券が与えられるなどし、周辺の小学生にとって鷺沼プールは夏の一番の娯楽として親しまれた。周辺に出店したお店や露店で食べ物を買うのも楽しみのひとつであった。
- 1時間に一度の一斉休憩に監視員だけが優雅に泳ぐ姿や、小学生は禁止されている六角プールに入った小学生がしかられるなどの姿がしばしばみられ、特に監視員の小中学生に対する厳しさは小中学生に恐怖を与えていた。
- 多摩川水系のため利根川水系の東京などが渇水であっても運営されることが多く、大きなプールであったことから、近隣自治体からも利用があった。
⇒水系が逆では?・・・