高本公夫
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高本 公夫(たかもと きみお、1939年 - 1994年)は競馬評論家、作家。色丹島出身。明治大学文学部卒業。
主に中央競馬の馬券予想に関する本を著作した作家。いわゆる暗号馬券理論(サイン理論)の事実上の元祖として知られており、そのため競馬業界ではそのような予想のことを「タカモト式」(あるいは単に「タカモト」)と呼ぶほどである。推理小説の執筆や競馬劇画の原作もしていた。
タカモト式がエポックメイキングであったのは、それまで馬券本と言えば血統や持ちタイム、出目に基づくものしかなかったところに、祖父の地方競馬調教師経験などを踏まえて、馬主経済、厩舎人脈、日本中央競馬会(JRA)の集客戦略などを理路整然と唱えたところ。特に、まだ知名度が高まらないうちに東京スポーツに連載していたコラムでは、週半ばの段階で厩舎情報に基づく勝ち馬予言をして、それがズバズバ当たるなどしており、その後に信者を爆発的に増やす原動力となった。ただ、後期の著作は、JRAの集客戦略のみにフォーカスした、枠順に作為ありとして強引に暗号解読を試みるオカルト的な内容になってしまい、後発亜流に飲み込まれてしまった。
ちなみに息子の高本達矢も競馬評論家であり、父の後を継いで馬券本を数多く著している。ただ、初期タカモト式の正当な継承者は、片岡勁太であろう。