高学年
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高学年(こうがくねん)は、小学校の5年生から6年生を指す言葉。広義の高学年は4年生を含む場合がある。プレティーンの後半に属する。
小学校6年間の個体の発達は大きい。 1~2年生(広義は3年生も含む場合あり)を低学年と呼ぶ。自己と他者、現実と空想の区別が出来ないなど、まだ幼児期の延長線上にあると考えていい。学校教育での指導も学習指導よりも生活指導が中心になる。
3~4年生を中学年と呼び、プレティーンの前半に入る。幼児期の特徴はおおむね解消され、性的羞恥心も顕在化されてくる。しかし、男子の殆どはまだ第一次性徴期で、まだ第二次性徴が始まっていない人が多いが、女子は第二次性徴が始まる人が出始める。
5~6年生(広義は4年生も含む場合あり)を高学年と呼ぶ。プレティーンの後半に入りこの学年の特徴としては、以下のものが指摘できる。
- 女子の殆どが第二次性徴期に入り、男子も第二次性徴が始まる人が出始める。(男子を中心に高学年でも第一次性徴が終了せず、中学生から第二次性徴に入る人もいる)。男子は睾丸(精巣)が大きくなり、陰毛や髭の発生、精通、変声、乳頭・乳輪の着色、女子は乳房・乳頭が膨らみ始め、また乳頭・乳輪が着色・拡大し始め、陰毛の発生、初潮を迎える。
- 異性の体に興味を持ち始めるが、精神面や社会的な成長は未熟である。
- 友人選択が機会的なものではなく、価値観に基づく永続性のあるものとなる。
- 徒党を組みたがる(いわゆるギャングエイジ)。
- 合理的な思考や、言語による意思表示、意思疎通が可能となる。
- 一般的に男子よりも女子の成長のほうが、肉体的にも精神的にも発育が早い。
学校教育では、通学班長などで下級生をリードする役割を期待されると同時に、委員会活動やクラブ活動など、特別活動と呼ばれる教科が始まる。
戦後の日本では、食生活の改善や情報量の増大、都市化などが原因になって心身の発達が早熟になり、中曽根内閣の臨時教育審議会では、義務教育を6・3制から5・4制に改めようとの意見も出た。