風の大陸
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風の大陸(かぜのたいりく、The Weathering Continent)は、竹河聖によるファンタジーライトノベル作品。 古代の動乱の大陸アトランティスを舞台に、主人公ら3名の旅と冒険、そして大陸の運命を描く。
富士見書房の月刊ドラゴンマガジンに創刊号(1988年)から連載された。単行本は富士見ファンタジア文庫より刊行され、2006年4月発売の第二十八部で完結。 また、ドラマCDおよび劇場版アニメも制作された。
ファンの間では風大(かぜたい)と略されることがある。
目次 |
[編集] ストーリー
[編集] キャラクター
- ティーエ(アウル・トバティーエ)
- 主人公。薬師(くすし)の青年で、魔術も習得している。アラバスターのような白い肌と、絶世の美女と見まがうばかりの美貌の持ち主。オッドアイであり、「世界の相」を持つといわれる。半人半獣の伝説の種族・ケントウリによって山中で育てられたため、世事に疎い。来るべき大災害から大陸を救うため旅に出る。祖父は大陸最後の共和国・デン共和国の最後の国家元首アウル・バカンであり、母は大陸屈指の名門、カゼス王国の第二王女シレーナであった。誕生のその日に父、レンキエを失い、そのわずか数日後に生国デン共和国を、大国アドリエ王国の侵攻によって滅ぼされ、祖父と祖母ラウリアを失った戦災孤児である。
- ラクシ・アーダ(イタール・クラレス・アルン・アーダ)
- 褐色の肌をした小柄で活発な男装の少女。アドリエに敵対する小国・イタール公国の姫君であったが、病弱な兄王ハラドを廃して自分を擁立しようとする家臣たちに反発し、断髪して出奔。ティーエと出会って行動を共にする。
- ボイス・マグヌス(カイエ・アトゥス・ストゥル・マグヌス)
- 大陸で最も信頼され尊敬される傭兵「自由戦士」の一員である歴戦の勇士。ティーエに生命を助けられ、「命の借りは命で返す」という自由戦士の掟から彼と行動を共にする。トリニダ王国の宰相の次男だったが、叔父ラドゥ・ランテルの陰謀で父を殺され、自身も賞金首となり、国を出奔して傭兵となった。通称の「ボイス」は「大男」の意味。膂力に優れ、両手持ちの大剣を武器とする。
- イルアデル
- アドリエ王国の若き王。ティーエと瓜二つ(目の色が左右逆)で、やはり「世界の相」を持つといわれる。王宮の権謀術数の中にあって常に孤独に生きてきたが、「魂の双子」たるティーエと出会って心を通わせる。しかし・・・。母はカゼス王国の国王の弟の姫(ティーエの母の従姉妹にあたる)、イリリア。
- マレシアーナ
- イルアデルの義妹にしてアドリエ王国の王女。後に女王となる。一見たおやかな美姫だが、実はかなりの策略家。母はバルリットでアドリエの下級貴族出身。
- 魔術師グラウル
- アドリエ王国の暦司処長官。三十前後の背の高い男性。ヴァユラ(賎民階級)だが大魔術師と名高いラグルドの唯一の弟子。実はアドリエ王国の国王ネモスアデルの第一王子アデルカフィンであり、母は元奴隷だった。生母の身分が低すぎたがゆえに王太子となれず、マレシアーナの母バルリットの魔手から逃れるため、十三歳の時に母とともに王宮を去るものの、バルリットの部下によって母を殺害されてしまう。日常的に顎鬚を伸ばしているが、髭を剃ればなかなかの美貌の持ち主で、ネモスアデル王に風貌がよく似ている。マルバ・シレルという弟子がいる。
- マルバ・シレル
- アドリエ王国の平民階級出身。二十歳前後の好青年。暦司処の役人でグラウルの弟子。前途有望だったが、イルアデル死去に伴い、グラウルに付き従って太陽帝国に移る。
- マンレイド
- 傭兵。ボイスの恋人。小国レキサントラの平民階級出身で、同国の女子軍に所属していた。通称はレイ。
- バリカイ
- 傭兵。ボイスの戦友。世渡り上手で如才無い面がある。マンレイドへの想いを心に秘めつつ、ボイスとマンレイドを見守り続けている。
- コルデ・フィテス・ターク
- アドリエ王国の将校で、イルアデルの護衛を務める。イルアデルも彼だけは信頼していた。イルアデルからはフィテスと呼ばれる。マルバ・シレルと親交がある。後にある事情から国を出奔し、名前を変えて氷の島へと渡る。
- 前第六侯カリスウェン(アリストゥマル・ラフィン・ハマン・カリスウェン)
- 現太陽帝国皇帝の息子。身分制度の無い共和国復興の夢を抱いてティーエやグラウルらと想いを共にするもその最中に失脚。後に星神殿大祭司となり、月神殿巫女王レイトリンと聖婚の儀式を執り行う。
- ラトリエ・マスネル・キリルラナー
- 太陽帝国現第六侯であり、前第六侯ハマン・カリスウェンの父違いの弟。下級貴族の家に育ったが、両親の死去に伴い、第六侯家に入り、兄カリスウェンの大祭司就任によって、正式に第六侯となる。
- 巫女王レイトリン
- 太陽帝国第七侯ザドウィル・モリスゼクルスの娘で、カリスウェンの従兄妹。身体が弱い。ティーエが初恋の相手で、カリスウェンが大祭司に就任しなければ、太陽神殿大神官となったティーエと聖婚によって夫婦となるはずだった。
- マルト・バレム・カルナー
- 太陽帝国初代皇帝にして、カリスウェンの直接の先祖。下級貴族のバレム家から第六侯家に養子になり、皇帝になったうえで十侯制度を崩し、共和国を築こうとしたが、十侯の抵抗に遭って失敗、退位する。孫がカゼス王国から王女を妻に娶っている。
- ラセマ
- 巡検使カルナー・シリーズの登場人物で、クーリニル王国最後の女王。生涯独身を貫いたため子がなく、自身の死去の際、クーリニルを太陽帝国に譲り渡した。カルナーに惚れていた。
[編集] 小説
挿絵はいのまたむつみ(『風の大陸 氷の島』のみ若菜等+Kiによる)。
[編集] 本編
- 風の大陸 第一部 邂逅編
- 風の大陸 第二部 精霊の歌
- 風の大陸 第三部 風雲の都市
- 風の大陸 第四部 宿命の都
- 風の大陸 第五部 葛藤の都
- 風の大陸 第六部 双影の宮殿
- 風の大陸 第七部 祭礼前夜
- 風の大陸 第八部 天命の大地
- 風の大陸 第九部 天命の時
- 風の大陸 第十部 太陽の都
- 風の大陸 第十一部 月神殿
- 風の大陸 第十二部 太陽神殿
- 風の大陸 第十三部 風雲
- 風の大陸 第十四部 渦
- 風の大陸 第十五部 本流
- 風の大陸 第十六部 水晶
- 風の大陸 第十七部 遺産
- 風の大陸 第十八部 十侯
- 風の大陸 第十九部 こころとこころ
- 風の大陸 第二十部 水面下
- 風の大陸 第二十一部 地の書
- 風の大陸 第二十二部 告発
- 風の大陸 第二十三部 有罪か無罪か
- 風の大陸 第二十四部 白光
- 風の大陸 第二十五部 大祭司
- 風の大陸 第二十六部 聖都
- 風の大陸 第二十七部 地流
- 風の大陸 最終章 祈り
[編集] 外伝
- 風の大陸 外伝1 レキサントラの自由戦士
- 風の大陸 外伝2 レキサントラの女戦士
- 風の大陸 外伝3 虹の時間(とき)
- 風の大陸 氷の島(1) 黄金の夜叉
- 風の大陸 氷の島(2) 災厄神(ギクラバ)の子
- 風の大陸 氷の島(3) 雨の魔女
- 風の大陸 月光にさまようもの
[編集] 関連出版物
- いのまたむつみ画集 風の大陸 UN BALLO IN MASCHERA
- Dragon magazine collection 風の大陸 The approach of Atlantis
- 富士見ファンタジアコミックス 風の大陸(画: 橋本正枝)
[編集] 劇場版アニメ
1992年松竹系で公開。上映時間55分。同時上映は『アルスラーン戦記II』『サイレントメビウスII』。
原作のアゼク・シストラの回をほぼ忠実にアニメ化。詳細は#外部リンクの項を参照。
[編集] スタッフ
- 原作: 竹河聖
- 監督: 真下耕一
- 脚本: 真下耕一
- キャラクター原案: いのまたむつみ
- キャラクターデザイン: 結城信輝
- 作画監督: 黄瀬和哉
- 美術: 平田秀一
- 音楽: 大島ミチル
- 製作: 角川春樹、山科誠、高山登
- アニメーション制作: IGタツノコ
- 主題歌: 『風の大陸』
- 歌: 西脇唯
- イメージソング: 『凍る砂』(ドラマCD主題歌)
- 歌: 新居昭乃
[編集] キャスト
ドラマCDのキャストも同一。
[編集] 関連項目
- 巡検使カルナーシリーズ
- アトランティス
[編集] 外部リンク
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