音域
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音域（おんいき）とは、音の高さの範囲のことである。特に人声の高さの範囲のことは声域と呼ばれる。
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[編集] 楽器の音域
楽器の音域とは、音の高さを識別できる楽器にあって、その楽器で出すことのできる音の高さの範囲のことである。
おおむねどの楽器でも、その音域内の、その楽器で演奏することが想定される音楽で使用されるすべての音を出すことができるように設計されているのが普通である。たとえば西洋音楽の楽器であれば、音域内の音を半音単位ですべて演奏できるように設計されるのが原則である。しかし、すべての楽器がすべてそうであるのではなく、西洋音楽の楽器でも、いくつかの途中の音を欠いていたり、非常に演奏困難であったりすることがある。
音域の両端は、演奏が困難であることがある。特に管楽器の高い方の限界に近い音は、演奏が困難であり、楽器の習熟度によって、限界が変化する。それは逆に言うと、楽器の技術によれば、通常よりも音域を広げることができるということでもある。またヴァイオリン属の楽器も、指板の長さによって最高音は変化するし、ハーモニクス奏法などによれば、格段に音域を上に広げることができる。
一方、木管楽器やヴァイオリン属の楽器の最低音は楽器の構造上決まっていて、それ以上広げるには特殊な方法が必要である。たとえば管を継ぎ足す、弦をゆるめる、などである。しかし、これらは確かに出すこともできる、というものであって、そのほかの音の演奏に支障を来すし、期待する音が得られづらく、一般的には用いられない。金管楽器の低音域は、いくつかの楽器で、演奏技術によって規定される。
鍵盤楽器や鍵盤打楽器の音域は、構造によって決まっていて、それ以上変化させることは事実上不可能である代わり、用意されたすべての音について、均質な難易度で均質な音を出すことが可能である。
[編集] 人声の音域
声域と呼ばれる。声域は生理的声域と声楽的声域に大別され一般には声楽的声域の意味で使われる。生理的声域は、母音が潰れたり奇声といわれるような声も数えるので声楽的な音域よりも広い。また、声楽において声域は声種（声の音色による区分）とペアで扱われる場合が多い。
ヒトの声域は、生後直後の赤子では４４０hz前後で音域と呼べるものはほぼ無いが、成長するに従い、会話能力の上昇と共に、特に低音へ向けて広がる。第二次性徴のころには１．５～２オクターブ程度になる。第二次性徴を過ぎたころから大きな変化は無くなるが声楽家など歌唱訓練をつむ人は発声技術の向上によってさらに広がる。 一般成人の声域は２オクターブ程度で、声楽家の場合は合唱レベルでは２～２．５オクターブ、著名なソリストで３～３．５オクターブ程度。ポピュラー音楽は歌唱に利用できる声の範囲がクラシックより広がるため、音域も広がりがちである。ファルセットを多用する歌手は３～４オクターブ近くに達し、ホイッスルを使用する歌手は５オクターブを超えることもしばしばある。有名な、マライアキャリーの７オクターブはキャッチコピーであるが、ホイッスルを扱う歌手がそれだけを優先して鍛えれば、実際そういう声域になる。
- ホイッスルは楽器でいうところのハーモニクスであり上限を定めるのは難しい。これは弦楽器とおなじである。生理的には可聴域いっぱい（つまり１０～１１オクターブ）まで発声できるという意見もある。
言葉が明瞭に聞こえることを条件にするならば、声の高さの上限はある程度定まる。重要なフォルマントのひとつが500～1000Hzの間に現れるため、声の高さ（基本周波数）が500Hzを超えると母音（特にoの母音）が不明瞭になり始める。（500Hzは鍵盤でいうと高いCの辺りになる。また、ベルカントには純粋な母音を出すための訓練があるが、Cより上の音では行わないのが原則とされる。）さらに1000Hz近くまで達すると、もう全く、母音を表すことは不可能になる。男性の下限は７０～100Hz程度なので発語可能な音域は４オクターブ程度である。
[編集] 声種の名称
両節について、それぞれ先に挙げたものが高い音域である。
