電波的な彼女
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『電波的な彼女』(でんぱてきなかのじょ)は、片山憲太郎/著、山本ヤマト/イラストのライトノベル。スーパーダッシュ文庫刊。同作者の『紅』とは社会背景や登場人物の一部がクロスオーバーしている。 スーパーダッシュ小説新人賞応募時のタイトルは『電波日和』(でんぱびより)。
目次 |
[編集] あらすじ
不良少年の柔沢ジュウは堕花雨と名乗る少女にある日突然忠誠を誓われる。少女の奇怪な言動に振り回されながらも、その真摯な言動にしだいに存在を受け入れて行く。しかし、巷を騒がせる連続殺人にクラスメイトが犠牲になってしまい、ジュウは雨に不信感を抱くようになる。
[編集] 登場人物
[編集] メインキャラクター
- 柔沢ジュウ(じゅうざわ じゅう)
- 親からの愛情を受けられずに自堕落に生きることを選んだが、完全な不良になりきることもできない中途半端な自分に悩む。世間的には不良として見られているが、煙草や薬物を使用したり理不尽な暴力を振るったりはしない。幼い時から母親と喧嘩し続けたからか異常に打たれ強い身体をしており、常人よりも回復力が高い。
- 堕花雨(おちばな あめ)
- ジュウとの前世からの絆を信じ一方的に忠誠を誓う少女。ジュウに鬱陶しく思われながらもしつこくつきまとい、ときには知的な助言をする。アニメや漫画などを好む所謂オタクであり、作中においては明言されていないがその起源は幼少時に出会ったジュウの影響ではないかと考えられる。強烈な電波系であるがその性質は非常に理性的であり、常人が思わず目をそむけるような事物にも淡々と対処する。ジュウに対して恋愛感情や嫉妬は表に出さないが、一度斬島とジュウが示し合わせて交際しているという嘘をついたとき、ひそかに落ち着きがなくなるなど、少なからず好意は存在しているようである。なお、彼女の名字である堕花は『紅』に登場する裏十三家の一つとして挙げられているが、雨本人との関わりは今のところ不明。
- 斬島雪姫(きりしま ゆきひめ)
- 堕花雨、円堂円の友人。処女。明るく奔放な性格をしているが、身持ちは堅い。三人組の中ではムードメーカー。ジュウのことを気に入ってるらしく何かにつけて引っ張りまわすが、ジュウが危険に首を突っ込もうとしたときはそれを制止する一面もある。刃物愛好家であり、刃物を持った状態の彼女は、雰囲気も一変し非常に冷静。トレードマークは髪を結んだ白いリボン。メイド服や格闘ゲームのキャラクターなどを好んでコスプレするオタクでもある。将来の夢は団地妻。なお、彼女の名字である斬島は『紅』に登場する裏十三家の一つとして挙げられているが、雪姫本人との関わりは今のところ不明。
- 円堂円(えんどう まどか)
- 堕花雨、斬島雪姫の友人。雪姫と同じ高校の空手部に所属している。男性であるジュウに対しては不信感を持ち厳しく当たるが、それはジュウ本人に対しての感情ではなく、重度の男性不信のせいであるらしい。警察内部の情報を入手するなど何らかのコネクションがあるらしいが、多くは語ろうとしない。他の二人同様オタクである。なお、彼女の名字である円堂は『紅』に登場する裏十三家の一つとして挙げられているが、円本人との関わりは今のところ不明。
- 堕花光(おちばな ひかる)
- 堕花雨の妹。素直な性格ではあるが、姉を騙している(と光は思っている)ジュウに対してはいきなり蹴りかかるなど乱暴に接する。しかし見た目に反して誠実なジュウの対応により、その認識を改めつつある。ツンデレ。また、姉である雨のことを非常に好いており、雨の話す前世云々を夢見がちと好意的に解釈したりと、若干シスコン気味である。
[編集] その他登場人物
- 柔沢紅香(じゅうざわ べにか)
- 柔沢ジュウの母。放任主義で幼い時からジュウを放り出して家を出ているが、気まぐれに弁当を作ったり入院しているジュウを見舞ったりと母親としての愛情が無いわけではないようだ。『紅』においてはメインキャラクターの一人として登場しており、最強の揉め事処理屋として様々な厄介事の処理を仕事としている(しかし『紅』は電波的な彼女より作中時間において過去であるらしく、現在もその仕事を続けているかは不明)。
- ジュウの父
- 他人にも自分にも厳しく、とにかく負けず嫌いな性格だったらしい。紅香との不仲が続いた末、ジュウがまだ幼い頃に家を出て行ってしまった。
- 紅香と違って柔沢の家に帰ってくることは一切無いため、ジュウは父ともう何年も顔を会わせていない。
- 雨と光の両親
- 渋みのある低い声を持つ、厳格そうな雰囲気の(だが中身はそれなりに柔軟な)父親。見た目では歳のわかりにくい、上品そうな母親。母親の名は薫子。父親の名前はまだ明記されていない。
- 当然、堕花家の血を引く人間であると思われるが、裏十三家に関る描写は『幸福ゲーム』の時点では一切無い。家は中々の豪邸で、裕福であることがわかる。
- 紗月美夜(さつき みや)
- ジュウのクラスメート。性格は明るくクラスでも男女を問わず人気者。クラスの中で唯一人ジュウに親しい存在。しかし……
- 藤嶋香奈子(ふじしま かなこ)
- ジュウのクラスメート。真面目な性格でクラスの学級委員を務めていて、不良のジュウに口うるさく注意する。ジュウを巡って雨と言い争うことも(雨は取り合わなかったが)ある。連続殺人犯の標的となってしまう。
- 鏡味桜(かがみ さくら)
- 『愚か者の選択』に登場。電気街でジュウが出会った幼い少女。「えぐり魔」によって両目の眼球を奪われ、失明してしまう。
- 草加聖司(くさか せいじ)
- 『愚か者の選択』に登場。「えぐり魔」による最初の犠牲者、草加恵理の叔父。喫茶店で偶然出会って以来雨に執着する。
- 白石香里(しらいし かおり)
- 『幸福ゲーム』に登場。生徒会会長。人当たりが良く、周囲からの人望も厚い。
- 綾瀬一子(あやせ いちこ)
- 『幸福ゲーム』に登場。ジュウの通う高校の生徒会副会長。尊大な優等生であり、ジュウを罠にかけようとする。
- 伊吹秀平(いぶき しゅうへい)
- 『幸福ゲーム』に登場。雪姫、円と同じ高校の空手部員。全国大会へ出場するほどの腕で、かつ容姿端麗で真面目。しかしその性格が災いして融通の利かないところもある。光の想い人であったが、「幸福潰し」に巻き込まれた光を誤解から傷つけてしまう。
[編集] 既刊一覧
- 電波的な彼女 ISBN 4-08-630206-3
- 電波的な彼女 ~愚か者の選択~ ISBN 4-08-630230-6
- 電波的な彼女 ~幸福ゲーム~ ISBN 4-08-630247-0
[編集] 関連項目
- 紅:同作者の別作品
[編集] 外部リンク
第2回
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電波的な彼女
殿がくる! |
第4回
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ネザーワールド
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影≒光
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