集成材
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集成材(しゅうせいざい)とは、断面寸法の小さい木材(板材)を接着剤で再構成して作られる木質材料のである。構造用と造作用に分類され、主に建材として用いられる。近年、大断面集成材が学校建築物などの大型公共施設の梁などに用いられるようになった。
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[編集] 製造工程
1) 厚さの薄い木材(ラミナ)を人工的に乾燥する。 2) ラミナ同士をフィンガージョイントと呼ばれる接合方法で縦方向につなぐ。 3) 縦方向に接合されたラミナの広い面に接着剤を塗布する。接着剤が塗布されたラミナを何枚か重ね、圧力を掛けて貼り合せる。 ただし、製造される集成材のサイズにより、2)の工程が省かれることもある。 構造用集成材製造においては、集成、接着される前にグレーディングマシンと呼ばれる装置を用い、ヤング率によるラミナの等級区分が行われる。また、フィンガージョイント接合により縦継ぎされたラミナは、プルーフローダ(保証荷重試験機)と呼ばれる装置を用いた試験を行い、強度の弱いものは排除される。ヤング率の高いラミナは異等級対称構成の場合、集成材の外層に使われる。
[編集] メリット
- 木材素材よりも強度のばらつきが小さい。そのため設計強度を大きく取ることができる。
- 通常の木材では得られない大きな断面のもの、湾曲した形状のものを作ることができる。
- スギなどの間伐材や歪みの出やすいカラマツなどを有効に活用できる。
- 乾燥による変形・割れ等の狂いが生じにくい。
[編集] デメリット
- 無垢の木材よりも製造コストがかかる。