阿賀野 (軽巡洋艦)

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艦歴

起工

1940年 6月18日

進水

1941年 10月22日

竣工

1942年 10月31日

喪失

1944年 2月17日

除籍

1944年 3月31日

性能諸元

基準排水量

6,652t

公試排水量

7,590t

全長

174.50m

全幅

15.20m

深さ

10.17m

吃水

5.63m

出力

100,000hp

最大速力

35.0kt

巡航速度

18kt

航続距離

6000浬

乗員

730名

搭載機数

2機

兵装

15.2㎝連装砲

3基6門

7.6㎝連装高角砲

2基4門

61cm四連装魚雷発射管

2基8門

阿賀野 (あがの)は日本海軍の軽巡洋艦。阿賀野型軽巡洋艦の1番艦。

[編集] 艦名の由来

艦名は、新潟県と福島県を流れる阿賀野川にちなんで命名された。（ただし、福島県を流れる部分の名称は阿賀川である）日本海軍の命名慣例については日本艦船の命名慣例を参照。

[編集] 建造経緯

球磨型から始まる5500t型の軽巡洋艦を水雷戦隊の旗艦としていた日本海軍は、列強との建艦競争によって発達した造船技術とそれに伴なう兵装の強大化に後押しされ、軽巡洋艦の大型化を模索し始めた。昭和十四年度の第四次補充計画に基づき大薗大輔造船官によって設計されたのが本艦である。

[編集] 履歴

1940年6月18日阿賀野型1番艦として佐世保工廠で起工。
1941年10月22日進水。
1942年10月31日竣工。
1942年12月1日トラック島に入港。
1942年12月2日第10戦隊の旗艦となる。
1943年6月23日呉において電探装置を受領。
1943年11月1日ブーゲンビル島沖海戦に参加。
1943年11月11日ラバウルのシンプソン湾に停泊中、米艦上機の雷撃を受け、修理の為トラック島へと回航。
1943年11月12日回航中、敵潜の雷撃を受け航行不能。能代に曳航されトラックへ向かう。また、この損傷で第10艦隊旗艦の任を解かれる。
1944年2月15日トラックにて応急修理を受け、本修理の為、本土回航。
1944年2月16日トラック島北方沖にて米潜水艦スケートの魚雷2本を受け炎上後、沈没。

[編集] 能力

当時、日本の水雷戦隊の旗艦は軽巡洋艦が務めており、続々と就役する高速・大型の駆逐艦を率いて敵艦隊と水上戦闘を行う為に十分な洋上性能、兵装が求められた。

[編集] 主砲

敵艦船の砲の大型化に合わせ五〇口径四一式十五センチ連装砲を装備、この主砲は55度まで仰角を取る事が可能で対空戦にも使用する事が出来た。艦首に2基、艦尾に1基が配置されている。

[編集] 高角砲

六〇口径八センチ連装高角砲両舷を1基ずつ配備。本艦はあくまで水雷戦隊の旗艦として設計されている為、高角砲の数は少ない。だが新型の高角砲を装備され軽巡洋艦としては恵まれた部類に入ると思われる。

[編集] 魚雷

六一センチ四連装発射管2基を備え、軽巡洋艦としては異例の重装備であり、水雷戦隊の旗艦としての何よりの証と言えよう。

[編集] 防御

この頃の対弾防御の基本通り、同程度の15cm砲弾に耐えられるだけの防御力が与えられている。CNC甲鈑が使用されており重要区画にはより重厚な防御がなされている。

[編集] 速力

最大で35ktの速力を発揮できた。同行する駆逐艦の速力が37kt程度だった為、それに合うだけの速力が求められた。

[編集] 太平洋戦争

阿賀野が竣工した時、すでに太平洋戦争はターニングポイントと呼ばれるミッドウェー海戦を過ぎており、戦局は悪化。第10戦隊の旗艦になったものの、水雷戦隊を駆使しての戦闘はほとんど無く、阿賀野にも出番は回ってこなかった。1943年 11月1日、それまで輸送作戦の任務についていた阿賀野に出撃が命ぜられた。ブーゲンビル島沖海戦である。この海戦の後、停泊中に敵航空機の雷撃、米ガトー級潜水艦スキャンプ（USS Scamp,SS-277）の魚雷攻撃を受け損傷。1944年 2月16日には、阿賀野を米バラオ級潜水艦スケート（USS Skate,SS-305)の2本の魚雷が襲った。先の損傷を内地において修理する為の回航途中だった。この攻撃で航行不能となった阿賀野は炎上後、沈没。阿賀野型軽巡洋艦最初の犠牲となってしまった。

水雷戦隊旗艦として建造された本艦は、結果的にその本領を発揮する場を与えられず、戦没することとなった。その高性能とは裏腹に時代に合わぬ用途を背負わされてしまった艦の悲劇とも言える。