野鳥観察
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
野鳥観察(やちょうかんさつ)もしくはバードウォッチングとは、野鳥を観察する趣味である。この趣味の発祥地はイギリスを中心としたヨーロッパであり、現在では英語圏のアメリカ合衆国にもこの趣味を楽しむ人が多い。(英語:Birdwatching, Birding)
目次 |
[編集] 概略
広い意味では、庭先に餌場や水場、砂場を作り、野鳥を集めて楽しむことも含まれる。しかし、一般には、観察者側から野鳥にできるだけ働きかけをしないことが重要視され、野鳥の生息環境に人間側が足を運び、自然状態の鳥を対象にすることが多い。鳥の鳴き声を聞き、姿を探し当て、その行動を観察し、記録するなどの行動のことを指す。探鳥とも呼ばれる。
森林、河川や湖沼、湿原、海岸(干潟など)と、鳥類が多い様々な環境に人間が出向いて行われる。それぞれに観察できる鳥の種類は異なる。また、季節によっても違う種類の鳥が観察できるため、通年楽しめる趣味である。自然の中に身をおくため森林浴などの側面もあり、また適度な距離を歩くトレッキング、ハイキングなどを兼ねることも可能。幅広い年齢層が楽しめる趣味である。
[編集] 道具
肉眼観察以外にも、よりよい条件で観察を行うために、双眼鏡、フィールドスコープと呼ばれる地上用の望遠鏡、又は望遠レンズ付カメラなどが用いられることが多い。ただし、カメラは、それ以外のものとは用途が異なり、記録のための道具である。カメラに気を取られているとじっくり観察することができないため、嫌う人も多い。鳥の種類の同定のためには、野外で使いやすい小型で軽量の図鑑(通称「フィールドガイド」)が多く市販されている。野外用の小型図鑑には、野外での鳥の区別点のポイントや鳴き声の特徴などが重点的に記載されている。
[編集] 活動
一般に、初心者は、鳴き声や姿を垣間見ただけでは種類の同定が難しいことが多く、経験者に同行することが楽しむ秘訣である。この意味で、野鳥観察を行うサークル活動的な集まりが多い。最初のうちは、観察した種類数を増やしていくのが楽しい趣味だが、近場でひととおりの種類を観察すると、その先は、より詳細に、個体数や行動など、生態に興味を持ったり、遠出をしてさらに見たことのない種類を観察するなど、楽しみに広がりが出る。確かな目を持った観察者であれば、特定の場所における鳥の種類ごとの分布密度調査や、渡りの詳細を解明する生態調査などの一端を担うことも可能であり、逆にこういった分野ではアマチュア調査者の果たす役割は大きい。
[編集] 趣味としての位置づけ
一般に哺乳類などの野生動物は用心深かったり、夜行性であったりするため、人間社会の近くに生息していながら、その観察を行うのは非常に難しい。これに対して、鳥類の特徴は、昼行性の種類が圧倒的に多いこと、翼を持つ鳥類はいつでも飛んで逃げられることから、人間の姿が遠くに見えてもすぐには逃げずに、じっくり観察が可能である場合が多いことが挙げられる。したがって、野生の動物に親しむには、鳥類はうってつけの動物である。また、哺乳類に比べ、様々な環境において観察可能な種類数が圧倒的に多いこと、鳴き声、美しい姿かたちなどでそれらの種類の判別が遠くからの観察でも比較的容易な場合が多いことから、コレクションの要素をも含む趣味として成立してきた。
また、動物について理解を深めながら、自然に対して人間側からは働きかけをしない趣味、環境を破壊しない趣味として、特に自然保護、環境に対する配慮を重視する人々から、評価されている。野生動物を対象とした趣味では、野鳥観察以外に、釣り、狩猟、昆虫採集なども広く行われている。しかし、これらはいずれも自然に親しむことと引き換えに、自然と人間との間になんらかの相互作用が生じるものなので、場合によっては、それが自然環境を乱し、多くの動物の命を奪うことにもつながる場合がある。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
この項目「野鳥観察」は、鳥類に関連した書きかけ項目です。加筆・訂正などをして下さる協力者を求めています。(Portal / Project) |