超音波検査
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超音波検査(ちょうおんぱけんさ)・エコー検査は、超音波を対象物に当ててその反響を映像化することで、対象物の内部の状態を非破壊的に調査することのできる画像検査法の一種である。主に建設・材料・医療分野で頻繁に利用されている。
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[編集] 原理
超音波検査装置は、大きく分けて、超音波を発生させ反射した超音波(エコー)を受信する仕組みを持つプローブ(探触子)と、受信したデータを処理する部分と、画像を表示するディスプレイからなる。 プローブを検査の対象物に当て超音波を発生させると、ごく短い時間のうちに、その音は対象物の中を進んでいき、固いものに当たると反射する。プローブでその反射音波を測定し、反射音が返ってくるまでの時間から距離を計算、内部の様子を可視化する。
開発当初のエコー検査では、音波を一方向のみに発射するだけのものであったが、その後改良され、扇状に音波を発生することで、対象物の断面画像がリアルタイムに見られるようになっている。
[編集] 医療におけるエコー検査
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エコー検査は体外からプローブを当てるだけで検査できる上、非常に安全でこれといった副作用もないことから、医療現場で最も頻繁に行われる検査のひとつである。日本の医療現場で単に「エコー」または「超音波」という場合は、通常この超音波検査のことを指すほか、書く場合には超音波検査の英訳であるultrasonographyの頭文字をとり、「US」と書かれることがある。
[編集] 分類 - 部位から
固い骨に囲まれている頭蓋のような部分を除けば、事実上体のほとんどの部分がエコー検査の適応となると言ってよい。代表的なものとしては以下のようなものがある。
- 心臓超音波検査(echocardiography)では心臓の評価を行う。
- 腹部エコーでは、肝臓、胆嚢、腎臓、膵臓、脾臓、大血管等の様子を観察することができる。胆石等はまずこれで発見を試みる。腹水の貯留も検査する。
- 四肢では、筋肉などの軟部組織の腫瘤の検査に使われる。
- 乳腺でも同様に、腫瘍や炎症の評価にエコーが使われる。最近ではエラストグラフィー という いわゆる「硬さ」をエコーで判断して悪性かどうかを判断の1つにする方法もある。
- 生殖器では、経膣エコーは卵巣・子宮病変の評価に利用される他、放射線の被曝を避けたい妊娠時の胎児の診断で重要である。男性でも前立腺の検査に経直腸エコーを用いることがある。
- 体表から心臓の間には肋骨と肺があるために、心エコーでは完全に評価出来ないことがある。特に心房内の血栓の有無の評価は難しいため、プローブを胃内視鏡検査のように飲み込ませて、食道内から検査を行う経食道エコーや、ファイバー状の細いプローブを下腿部より静脈に挿入し、心房近辺まで到達させて検査を行う経血管エコーなどが用いられることがある。
- 上部消化管壁自体や膵臓・肝外胆管の観察のためにも、プローブを飲み込ませることがあるが、この場合は「超音波内視鏡検査」と呼ぶ。
[編集] 分類 - 測定方法のバリエーション
最も頻繁に用いられる超音波検査は、超音波断層検査と呼ばれるものであり、これは体の断面図をリアルタイムに表示するものである。
[編集] Aモード
受信したエコーを表現するための方法はいくつかあるが、A(amplitude:振幅)モードとB(brightness:輝度)モードが基本となっている。 超音波は直進性に優れており、音響インピーダンスの異なった物質間の境界面で反射がおこる。 受信するまでの時間を元に物質までの位置を計算することが出来る。 物質までの距離を横軸にとり、反射したエコーの振幅を縦軸にとったグラフがAモード像である。 原理としては重要であるが、Aモードは実際の検査には、あまり用いられない。
[編集] Bモード
Aモードではエコーの振幅と位置を表示していたが、この振幅を点の明るさ(輝度)として表示したものがBモードである。1本の超音波ビームでは、一次元像しか得られないが、複数の超音波ビームを発生させると二次元像を作成することが出来る。 単に超音波断層検査と言った場合にはBモードを指すことが多い。
[編集] ドップラーエコー
ドップラー効果によって、反射した音波の周波数が変化することを利用して、物体がプローブに近づいているのか遠ざかっているのかを判定できる。
ドップラーエコーには、特定位置の超音波ビームの周波数変化を流速に変換しグラフ化するドップラーモードと、Bモード画像上に指定した領域での流速変化を色で表現するカラードップラーモードがある。
特に心エコーで、心臓の血流を評価する際に有用である。
[編集] Mモード
断面上のさらにある一直線上に注目し、そこでの音波反射の経時変化を画像化する検査である。ドップラーエコーと同様、心機能評価での有用性が高い。
[編集] 超音波の限界
[編集] 医療以外での超音波検査
建設物の欠陥や老朽化を測定したり、材料や部品の内部検査を行ったりする目的で、超音波検査は実用化されている。