聖枝祭
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聖枝祭(せいしさい)はイエス・キリストのエルサレム入城を記念する東方正教会の祭日、十二大祭のひとつである。聖大週間の初日で、大斎最終日であるラザリのスボタの翌日の日曜日(主日)に相当する。 この日は復活大祭の一週間前の日曜日に相当し、復活祭同様、聖枝祭も移動祝日となる。3月下旬から5月上旬に祝われる。別名を主のエルサレム入城といい、地方によってはもっぱらこの名を用いる。別名を枝の祭り、枝の主日、花の主日。
カトリック教会でいう、枝の主日(受難の主日)、プロテスタント教会では、棕櫚の主日に相当する。ただし暦が異なるため、日付は違うことが多い。
新約聖書によれば、イエスは若い雄ロバの背に乗りエルサレムに入り、群集は歓呼してこれを迎えた。聖枝祭のイコンには、ロバに乗ったイエスとそれに従う弟子たち、エルサレムの城とイエスを迎える群衆が描かれる。
6世紀頃のエルサレムで、礼拝の後、信者がオリーヴ、ナツメヤシなどの枝をもってオリーヴ山に聖歌を歌いながら行列したという記録が残っている。
多くラザリのスボタに信者が枝を用意し、司祭がそれを成聖し、聖枝祭の聖体礼儀には信者がこの枝を手に参祷する。地域によっては枝を手にしての十字架行が行われる。枝はオリーブ、ナツメヤシまたはシュロが好まれるが、何を用いるという規定はとくにない。花をつけた枝を用いる場合もある。ロシア正教会など寒冷な地では伝統的にネコヤナギを用いる。日本でも北海道などではネコヤナギを多く用いる。
2006年の聖枝祭は4月16日である。