総大司教
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総大司教とは、カトリック教会において、最高の裁治権をもつ司教職。 ラテン語では patriarcha、ギリシャ語では πατριαρχής という。このπατριαρχήςは旧約聖書の七十人訳において、族長時代の族長のことを指していた。
総大司教の持つ権利は、総大司教区の教会会議を召集すること、 首都大司教や大司教の選出および叙階などで、枢機卿よりも下位と定めている。現在、西方ラテン教会では、ローマ教皇以外には名義総大司教のみで、エルサレム、ヴェネツィア、リズボン、西インド(空位)、東インド(ゴア)が認められている。
東方正教会では総主教と呼ぶが、正教会における「総主教」は西方教会におけるローマ教皇に相当する(もともとローマ教皇は「ローマ総主教」であった)、各国の正教会の首長であり聖職者の最高位である。従って、その権限は西方の総大司教とは全く別のものである。こうした事情を踏まえ、西方教会でも、東方正教会に属するコンスタンティノポリス、アレクサンドリア、アンティオケイア、エルサレム、モスクワ、ベオグラード、ブクレシュティ、ソフィア、グルジア、の総主教に対しては第2ヴァティカン公会議以降、聖下の称号を認めるなど教会法の中で特別な措置がされている。