直接請求
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直接請求(ちょくせつせいきゅう)とは、住民の発意により、直接に地方公共団体に一定の行動を取らせるもの。参政権の一つであり、国民発案(イニシアチブ)とともに直接民主制の一つである。
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[編集] 条例の制定・改廃の請求
有権者総数の50分の1以上の署名をもって代表者が地方公共団体の長に請求する。(地方自治法第74条)
首長は、これを議会で審議しその結果を公表しなければならない。
なお、制定・改廃請求の対象となる条例について、地方税の賦課徴収並びに分担金、使用料及び手数料の徴収に関するものは除かれる。
[編集] 地方公共団体の事務監査請求
有権者総数の50分の1以上の署名をもって代表者が監査委員に請求する。(第75条)
なお、事務監査請求とは異なるものとして、住民監査請求がある(第242条)。 住民監査請求は一人でも行えるのに対して、事務監査請求は相当数の署名を集めなければならないことなどから、住民監査請求がより多く用いられているのが実態である。
[編集] 地方議会の解散請求
有権者総数の3分の1以上(注)の署名をもって代表者が選挙管理委員会に請求する。
選挙管理委員会は、これを選挙人の投票に付し、過半数の同意があったときは、議会は解散する。
普通地方公共団体の議会の解散の請求は、
- その議会の議員の一般選挙のあった日から一年間 及び
- 解散の投票のあった日から一年間
は、これをすることができない。
[編集] 長・議員の解職請求
有権者総数の3分の1以上(注)の署名をもって代表者が選挙管理委員会に請求する。
選挙管理委員会は、これを当該選挙区の選挙人の投票に付し、過半数の同意があったときは当該長又は議員は失職する。
普通地方公共団体の議会の議員又は長の解職の請求は、
- その就職の日から一年間 及び
- 解職の投票の日から一年間
は、これをすることができない。
[編集] 主要公務員の解職請求
解職請求の対象となる主要公務員とは、都道府県の副知事・出納長、市町村の助役・収入役、選挙管理委員・監査委員・公安委員会の委員がある。
有権者総数の3分の1以上(注)の署名をもって代表者が普通地方公共団体の長に請求する。
当該普通地方公共団体の長は、これを議会に付議する。当該普通地方公共団体の議会の議員の3分の2以上の者が出席し、その4分の3以上の者の同意があったときは、当該者はその職を失う。
注:総数が40万を超える場合には、「40万人を超える数÷6+40万÷3」となる。