白銀号事件
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白銀号事件(Silver Blaze、1894年)は、アーサー・コナン・ドイルのシャーロック・ホームズシリーズ作品の1つ。「ストランド・マガジン」1892年12月号初出。「銀星号事件」、「名馬シルヴァー・ブレイズ」と表記される事も。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
ドイルは競馬についてあまり詳しくなかったと、後に自伝で述懐している。調教師が管理馬に傷を付けて走れなくなるようにしたなら、関係者はみな処罰されてしまうものであり、また実際にそのような批評もあったという。
[編集] あらすじ
ウェセックス・カップ(ウェセックス・プレート)の本命馬である白銀号(シルヴァーブレイズ)が突然失踪する。さらに調教師のストレイカーが死体で発見され、殺人事件として捜査が進められる。
白銀号が失踪した晩、予想屋と思われる怪しい男が白銀号の厩舎にやってきた。馬丁のハンターがその男に犬をけしかけようとするが、すでに逃げ出していなくなっていた。その夜中の1時に、調教師のストレイカーが馬の様子を見にいったまま戻らず、翌朝厩舎にストレイカーの妻が行ったところ、見張り当番のハンターが薬で眠らされており、白銀号もストレイカーもいなくなっていた。ストレイカーは厩舎から4分の1マイルほど離れた茂みの中で、頭を鈍器のようなもので殴られ、腿を刃物で切られた死体で発見された。死体の右手には血の付いた外科用のメス、左手には昨晩厩舎にやってきた男がつけていたスカーフタイを持っており、警察は殺人事件の容疑者としてスカーフタイの持ち主、フィッツロイ・シンプソンを逮捕した。
シャーロック・ホームズが調査を進め、近くの窪地に馬の足跡を見つける。ワトスンとともにその足跡を追うと、馬の足跡に並んで人間の足跡が認められ、ライバル厩舎の前まで来ていた。ホームズがそこの調教師に、彼が白銀号をどうやって隠したのかを事細かに話すと、調教師は観念し、ホームズの指示通り行動すると約束する。ストレイカー殺しについても、ホームズは真犯人と、その晩何が起こったのかを推理し、レース当日に明らかにする。
[編集] 列車の速さ
ロンドンからダートムアへ向かう列車の中で、ホームズは列車の速度を言い当ててしまう。電柱の間隔が60ヤードごとということをホームズは知っていたので、あとは一定の時間内に何本の電柱を通り過ぎるかを数えれば、簡単な計算で列車の速度を求めることができるのである。