発声
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発声(はっせい)とは、音声学において喉頭部にある声帯が肺から起こる気流に対して行う働きのこと。発声機構ともいう。
喉頭には粘膜で覆われ弾力性がある二本の筋肉の帯がある。これを声帯という。声帯は動かすことができ、声帯を左右に開く部分に披裂軟骨が存在する。声帯と声帯の間にできる隙間を声門というが、特に声帯同士の間を声帯声門、左右の軟骨の間を軟骨声門という。発声のタイプはこのような声門の状態によって分類される。
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[編集] 有声音
声帯同士を近づけ、声門を狭めると、呼気が通るとき、声帯は周期的に震動し、ブルブルと震える。これが音声学でいわゆる声であり、このときに出る音を有声音という。母音は通常の場合、有声音であり、子音のなかでも[b], [d], [g], [m], [l], [r]といった音は呼気による声帯震動を伴い有声音である。
[編集] 無声音
一方、声帯同士が開き、声門が広い状態のとき、呼気はそのまま通り抜ける。これは息の状態であり、このときに出る音を無声音という。子音のなかでも[p], [k], [t]といった音は呼気がそのまま出た無声音である。
[編集] ささやき音
声帯声門が閉じつつも、軟骨声門の部分が開いて息がもれるときに出る音をささやき音という。国際音声字母にはこれを特別に記述する記号はないが、無声音化しているので無声化の補助記号[ ̥ ]がつけられて[ t̥ ], [ d̥ ]のように記述される場合がある。
[編集] 息もれ声
「ささやき音」と同じく、軟骨声門の部分が開いて息が漏れていながら、声帯声門の部分にもわずかに隙間が生じ、声帯震動が起こって出る音を息もれ声(つぶやき声、英: breathy voice)という。国際音声字母では息もれ声を表す補助記号[ ̤ ]がつけられ、[ d̤ ]のように記述される。
[編集] きしみ声
軟骨声門が閉じ、声帯声門の上の部分がわずかに開いて緩やかな声帯震動がおこる音をきしみ声、英: creaky voice)という。有声声門摩擦音 [ɦ]と同じ声帯の状態である。きしみ声を表す IPA では補助記号[ ̰ ]がつけられ、[ d̰ ]のように記述される。