理藩院
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理藩院（りはんいん）は、中国の清代に、諸藩部の事務を統轄するために置かれた官署。
清の太宗は、内蒙古平定後、その統治のために蒙古衙門を設置したが、崇徳3年（1638年）に理藩院と改称した。最初、長官には承政、次官には左右参政の官があったが、順治元年（1644年）に承政を尚書、参政を侍郎と改められた。順治16年（1659年）には礼部の所管となり、順治18年（1661年）に独立した官署となる。
やがて清の領土が、外蒙古、青海、西蔵、新疆へと拡大していくと、これらの地域は藩部と呼ばれて、理藩院に統轄されるようになる。理藩院は、これら諸藩部の朝貢・封爵・俸禄・会盟・駅伝・互市・裁判などの諸事務を司掌した。また、ロシアとの外交・貿易に関する事務についても、19世紀後半に総理各国事務衙門が設置されるまで、理藩院が担当した。
理藩院はその後、光緒32年（1906年）の官制改革に際して理藩部と改められ、宣統3年（1911年）に新内閣制度が創設されると、尚書は大臣、侍郎は副大臣に改められた。
