流れる

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流れる
監督	成瀬巳喜男
製作	藤本真澄
脚本	田中澄江、井出俊郎
出演者	田中絹代、山田五十鈴、高峰秀子
配給	東宝
公開	1956年
キネ旬DB
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『流れる』（ながれる）は1956年に公開された成瀬巳喜男監督による日本の映画。原作幸田文、脚本田中澄江、井手俊郎。昭和の大女優が総結集したオールスター映画である。

目次 1 概要 2 あらすじ 3 スタッフ 4 キャスト 5 エピソード

[編集] 概要

原作は1956年に発表され新潮社文学賞、日本芸術院賞を受賞した幸田文の長編小説。1954年にデビューした彼女の、作家としての名声を確立した傑作である。自身の体験を踏まえ、華やかな花柳界と零落する置屋の内実を描ききった作品で、ストーリーはほぼそのまま映画に受け継がれている。

この時期の成瀬は、前年に公開された『浮雲』でキャリアの頂点を極めていた。他の作品でも見られる、女性を中心に人物を情感豊かにリアルに描く手腕は、本作でも遺憾なく発揮された。特に本作では、大勢の登場人物それぞれに明確な個性を色付けしており、キャスト連の迫真の演技と相まって肉厚で豪華な作品となっている。

キャストには田中絹代、山田五十鈴、高峰秀子という日本映画界を代表する名女優を三枚看板に擁し、岡田茉莉子、杉村春子、中北千枝子、賀原夏子らが脇を固めた。さらに日本映画史上初のスター女優で、当時既に一線を退いていた栗島すみ子が特別出演を果たし、強烈な存在感を見せる重厚な演技で往時のファンを歓喜させた。花柳界という舞台設定と合わせて正に「女性オールスター映画」とも呼ぶべき絢爛豪華な顔ぶれとなっている。男優では宮口精二、加東大介、仲谷昇、佐田豊らが出演している。スタッフにおいても「成瀬組」の名スタッフが結集し、成瀬映画の真髄を究めた作品となっている。

[編集] あらすじ

大きな川の畔にある置屋「つたの屋」に新しい女中がやってきた。梨花という名のその女性は、女主人つた奴に気に入られる。懸命に「つたの屋」に尽くす梨花だが、当家には落剥の臭いが立ち込めていた……

[編集] スタッフ

• 監督：成瀬巳喜男
• 原作：幸田文
• 脚本：田中澄江、井手俊郎
• 撮影：玉井正夫
• 音楽：斉藤一郎
• 美術：中古智
• 録音：三上長七郎
• 照明：石井長四郎
• 清元指導：清元梅吉

[編集] キャスト

• 梨花（お春）:田中絹代
• つた奴:山田五十鈴
• 勝代:高峰秀子
• なな子:岡田茉莉子
• 染香:杉村春子
• お浜:栗島すみ子
• 米子:中北千枝子
• 米子の前夫:加東大介
• おとよ:賀原夏子
• なみ江:泉千代
• なみ江の伯父:宮口精二

[編集] エピソード

• 成瀬からのたっての願いで復帰を果たした栗島すみ子は、撮影の合間にも大女優の貫禄を見せつけ、成瀬のことを「ミキちゃん」と呼んでいた。なお映画界へのデビューは成瀬（の監督デビュー）が1930年、栗島が1921年で、年齢も栗島が3歳上。