派遣戦士 山田のり子
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『派遣戦士 山田のり子』(はけんせんしやまだのりこ)はたかの宗美の4コマ漫画作品。双葉社の雑誌「まんがタウン」(月刊)で2000年12月号(創刊号)から現在に至るまで連載されている。「まんがタウンオリジナル」(月刊)では2002年12月号(創刊号)から2006年9月号(最終号)まで連載されていた。
また、「まんがタウン」の前身である「クレヨンしんちゃん特集号」でも1999年11月5日号から2000年11月5日号(「まんがタウン」に発展解消される直前の号)まで連載されており、実質的には1999年11月から現在まで連載しているといえる。
「まんがタウンオリジナル」では長期間にわたって表紙と巻頭カラーを飾っており、関連グッズが懸賞の賞品になるなど、人気のある作品。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] タイトルの意味
- 派遣…派遣社員。つまり、会社(商社)に直接雇われた社員ではなく、人材派遣会社に籍を置いて会社(商社)で働く社員。雇用ではなく、契約で勤務している。
- 戦士…文字通り「戦う」人。仕事が異常にできることから、「仕事と戦う人」という形容であるとする説や、常に刀を持ち歩いていることから、「刀を振り回す戦士」と見る説がある。
- 山田のり子…主人公の本名。現在は某商社の総務課に勤務。(本記事では、以下、略称「山のり」を適宜用いる。)
[編集] 主人公・山田のり子
[編集] 特徴
- 出生等:生年月日・出身地・年齢・現住所などは一切不明。ただ、女性であること・未婚であることは間違いない(と思われる)。漫画の舞台となる会社以前にも、別の会社で“派遣社員”として十数年働いた。
- 服装:ブラウス(シルク)・スカート(最高級ウール)・靴(オーストリッチ)とシンプルだが、品質・ブランドに関しては決して妥協をしていない。
- 勤務時間:9時ジャストに出て(相当に強引な形で)、17時00分ジャストにきっちりと帰宅する。
- 並大抵のことでは始業時間に遅れることはないが、万が一遅れる場合は狼煙をあげる。
- 経験職種:これまでにこなした仕事は数多くある。「山田のり子にできない仕事はない」と言わしめるスゴ腕派遣社員である。
- どさんこレースクイーン
- 海外映画の翻訳
- 映画村の歴史風俗の娘役
- ボクシングのセコンド
- 旅館の仲居(この時のエピソードが、時折「番外編」として描かれる。)
- 未経験職種:ただし、そんな彼女でも、受けたことのない業種はあるようだ。少なくとも判明したのは下記のとおり。
- 受付嬢(倉庫で、受付の制服を着て、酔いしれていたことがある)
- 保育士(子供に笑いかけるも、その表情があまりの不気味さから子供に逃げられたことから)
- 鍼灸師(初歩のテキストを見ながら施術し、失敗する場面が見受けられる。ただし、ツボ押しには長けている)
- 身体的特徴:視力や脚力など、人間としての基本能力からして卓越した技能をもっている。(最大で4つの事を同時にできる、(肩に電話をはさんで他国語を話しながら、左手でパソコンのキーボードを打ちながら、右手で書類を書いて、右足で別の書類を取り出す。)など)
- 頭:IC(集積回路)並みの計算能力を有する。(計算書100枚を短時間で暗算できるほど)
- 視力:少なくとも2.0以上はある。動体視力も非常に優れている。もの(人)を一度見ただけで、瞬時に重さ・サイズを判別できる。それゆえ、制服の支給の際、大きめ(山田のり子としては最適なサイズで選んだつもり)のサイズを支給するため、受付嬢からは忌み嫌われている。
- 動体視力:視力と同様。しかし、それゆえ、トンボに目を回そうとしたつもりが、自分の目が回ってしまうことも。
- 脚力:人間の限界能力まで瞬時に動作できる。あまりの速さに、傍からは足が4、5本あるかのように見えることも、さらに電車と同じ速度で自転車をこぐことができる。(しかし逃げ水にはかなわない)
- 発声器官:超音波や低周波を発振でき、それによるアクティブソナーの使用、動物との交信、音波攻撃が可能。
- 柔軟性:とてつもなく優れている(ヨガを趣味にしている。段ボールに入ることも可能)。
- 背中:いつもびしっと伸ばしている(ある意味、バレエダンサー以上)。
- 表情:初対面では判別不可能。慣れると、多少理解可能。
- 所持品:七つ道具があるらしい。
- 日本刀:山田のり子の必須アイテム
- ソーイングセット
- ペン
- ミニ工具セット
- 手帳
- ハンカチ
- ティッシュ
- 特技等:語学(英語、仏語、露語、アラビア語など)は堪能。弁当を包む紙は他国語版の新聞紙。
- 所有資格:歯科医師免許、フグ調理、救命救急士など百を超える資格を持つらしい。
- 趣味:詳細は不明だが、劇中ではヨガ(ヨガしながら仕事をすることも)と、まったりとお茶を飲むこと。
- 心境:仕事一筋のようだが、意外と乙女チックな一面もある。そして結婚願望も少なからずあるようだ。
- 金銭感覚:服などを購入する際はプラチナカードで支払ったり、道端で1円を見つけただけで目を光らせたりと極端。ロシアやシンガポール、中国など海外に旅行したり、給料日前には、弁当が極端に質素になりすぎる(ご飯のみ、桜ご飯、落葉のみで調理法を考えてしまうほど極端)ことなどを考えると、極端に狂っているか、もしくは全く無いようにしか見えない。
- せりふ:彼女が漫画の中で台詞を与えられたことは一度もない。無口ということなのか…!?唯一台詞があるとすれば、失敗をした平社員に対しテープレコーダーに注意を超高速で吹き込んだときくらいだろう。(ただし吹き出しはテープレコーダーから出ている)
- 弱点
- 親父ギャグ。お得意さんから『山田君、ハッスルしてるか!?』と言われ、たじろいだ。
- ゴキブリ。発狂したり、気絶することも。
[編集] 日本刀
山田のり子の象徴とも言うべき道具。その用途は、回を重ねるに従い、多様なものとなっていく。多く見受けられるのは、脅迫(他の社員の仕事を催促するのが多い)だが、その他に下記の用途に用いている。ちなみに、日本刀は替刃式(でかつカッターのように欠けたら、一部を折ることが出来る)になっている。
- 刀の使用実績:髭剃り、ハエたたき、散らばった書類を集める、皿回し、部長のヅラ(鬘)浮かし、じゅうたんの毛落とし、傘代わり、太陽光で部長に仕返し、鉛筆削り、廊下で仮眠、切り子ガラスの作製、つぼ回し、背中にいれる、廊下の目に詰まったホコリとり、ふぐの調理、爪切り、紙破り、ダンボールの運搬、ゴキブリ斬り・避け、まつげ切り、頭をなでる、冷蔵庫にぎっしり入ったゼリー切り、アイスノン代わり、タイヤキ斬り、バームクーヘン切り、刃先に異臭をつける、りんごの皮むき(幅は1㎜くらい)、缶を一刀両断、とりもちで電話を取る、ロッカーの隙間からシャーペンを取る、刀を熱し(赤くなるまで)お茶を熱くする、樹木の剪定(くまさんカット)、玄関前の氷カットなど
[編集] 山田のり子の周りにいる人物
[編集] 総務課長
- 派遣会社に山田のり子の派遣を申し入れた張本人(らしい!?)。
- 山田のり子の繰り広げる行動に、戦々恐々している。
[編集] 山のり大嫌い部長
- ハゲ頭とイヤミがトレードマーク。さすがにセクハラはしないようだ。
- 山田のり子を「派遣でありながら大きな態度を取るナマイキ女」と定義し、色々とイヤミや嫌がらせを仕掛けてくる。
[編集] 山のりに物を借りるヒラ社員
- オフィスにある山田のり子の机の引き出しを無断で開け、「見たな」と脅されたことに始まる「お借りします」シリーズの主役。
- プライバシーを堅く閉ざし、引き出しに様々な罠を仕掛けている山のりと、山のりの机の引き出しに興味があるヒラ社員との攻防が見もの。
[編集] 無断持出指名手配の営業マン
- 総務課から備品を無断で持ち出したり、必要な手続きをしようとしない営業課所属のヒラ社員。
- 無断持ち出しの癖が抜けない営業マンと、様々な手段(バンジージャンプなど)を駆使して持出伝票の提出を迫る山のりとの攻防が見もの。
[編集] 書誌情報
- 単行本 - 双葉社より「アクションコミックス」として刊行されている。
- 第1巻(2002年7月12日発行) ISBN 4-575-93784-3
- 第2巻(2003年11月28日発行) ISBN 4-575-93857-2
- 第3巻(2004年11月17日発行) ISBN 4-575-93913-7
- 第4巻(2005年10月28日発行) ISBN 4-575-93971-4
- 第5巻(2006年10月12日発行) ISBN 4-575-94036-4