正誤表
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正誤表(せいごひょう)は、出版物の誤植を正すために、誤植箇所と正しい記述を列挙したものである。
辞書・専門書や、全集・講座のように、高額でたびたび改版(買い替え)するわけにはいかない書籍に挟まれる事が多い。正誤表は大抵小さな紙一枚に収まっているが、誤植があまりにも多いと正誤表も膨大なものになり、それ自体パンフレットのように膨れ上がる事もある。なお、全集・講座の類では、次回配本に付されている月報が正誤表を兼ねている事が多い。
誤植箇所に貼り付けて訂正出来るように、シールになっている正娯表も存在する。
コンピュータ関連書籍など、分野によっては正誤表がWebサイトで公開されている場合もある。これは読者層がインターネット利用者が多いと想定されているためであるが、小説や一般書の著者が自身のサイトに正誤表を掲載しているケースがある。
無論、正誤表にもさらに誤植が含まれている可能性もあるので注意が必要である。
以下に、正誤表の具体例を掲載する。
正誤表
3段落目 (誤)正娯表も存在する。 → (正)正誤表も存在する。
[編集] 正誤表に関するエピソード
[編集] 夏目漱石『文学論』
夏目漱石が大倉書店から刊行した『文学論』は誤植だらけで、後に8ページあるいは16ページの正誤表が作られるほどであり、漱石は癇癪を起こしたが、弟子の寺田寅彦は「行き届いた正誤表がついているという意味からは、著者の良心的なことを示すわけです」とフォローした。
[編集] 宮沢賢治『春と修羅』
宮沢賢治の詩集『春と修羅』は、印刷中に誤植が発見されたので、正誤表を本文と同様に印刷して一緒に製本した。