森雪
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森雪(もりゆき)はアニメ『宇宙戦艦ヤマト』に登場する架空の人物。(声:麻上洋子)
宇宙戦艦ヤマトのレーダー手。生活班長。自己紹介では「調査分析、生活関係のチーフリーダー」。
ヤマト乗組員の中にあってよく登場する女性乗組員(他の女性は、乗船時に少し描かれただけ)。佐渡酒造に「大美女」と評されるほどの容姿の持ち主であるが、その性格は勝気で男勝り。ヤマト乗組直前、地球防衛司令部病院で看護師を勤めており、イスカンダルへの航海を通じて次第に想いを寄せるようになるヤマト戦闘班長古代進と初めて出会う。
容姿がイスカンダルのスターシアの妹であるサーシャに酷似している為、その亡骸を埋葬した古代から驚かれ、イスカンダルに到着した際にもスターシアから間違われ、「何故、今まで連絡して来なかったの?」と問いただされている。
彼女に一方的に懸想し、恒常的セクハラに悩まされている分析ロボットアナライザーとはその当時からの腐れ縁。ヤマト発進後の彼女は、クルーの健康管理&生活環境維持に気を配る生活班リーダーであるだけでなく、医務室においてはアナライザーと共に佐渡医師を補佐する優秀な看護婦であり、なおかつ日常は第一艦橋で三次元レーダーの監視手も兼ねているという、アナライザーを上回る「万能選手」であり、いくら乗員が百余名しかいないとはいえ、相当過酷な勤務状態にあったと思われる。そのためか自分も含めたクルーの精神健康管理に献身的なまでの情熱を持ち、正月には艦長に餅つきを直訴したり、時には自分であつらえたと思しき前世紀風ドレスで即席ファッション・ショーを演出し、女日照の男たちの目を楽しませることも厭わない。ある時は黒の下着にシースルーのネグリジェで古代を魅了した。当初はどちらかと言うと精神的に未成熟な古代や島たちを叱咤激励するお姉さん的振る舞いを見せていたが、航海途上で戦斗班長(自衛艦で言えば砲雷長と飛行長を兼務する役職にあたると推測される。ちなみに同鑑の砲術長〈水雷長も兼務している模様〉は南部康雄、飛行科の責任者にあたる役職はブラックタイガー隊長の加藤三郎)古代進を異性として意識するようになり、人知れず願い星に恋の成就を託すなど歳相応の可憐な少女らしさを随所で見せるようになった。
イスカンダルを出発する際、スターシアが、救助し治療した古代守を愛している事を見抜き、守への愛を諦めようとしたスターシアにアドバイスし、二人を結びつけるきっかけを作る。
最終話でデスラーが仕掛けてきた白兵戦において、放射能ガスから古代の命を救いたい一心で、工場長真田志郎の制止を無視してテスト未了の放射能除去装置を起動させた。その際同装置の初期不良に絡んだ酸欠空気に晒されていったんは死亡したと思われ古代を絶望させるが、地球帰還と言う本懐を遂げて絶命した沖田艦長の命を受け継いだかのように蘇生。古代の腕に抱かれて想いを遂げることになった。
『さらば宇宙戦艦ヤマト』では、古代進と婚約し、もうすぐ結婚式を挙げる予定だったが、テレサのメッセージを確かめるべく旅立とうとする古代の意思を理解し、結婚式を延期するものの、強引にヤマトに乗り込み共に戦う事になる。だがデスラーとの戦いで古代を庇い撃たれ重傷を負い、ブリッジで戦死。後に古代の胸に抱かれて、満身創痍のヤマトと共に白色彗星帝国の超巨大戦艦に特攻する(『宇宙戦艦ヤマト2』では撃たれる事もなく、最後まで生存している)。
『ヤマトよ永遠に』では、メインクルーがイカルス天文台に出発する際の大統領専用飛行艇の発進口を開けている際に攻撃を受けて乗り遅れてしまい、助けられたアルフォン少尉から求愛され、敵の爆弾の秘密を探るべく虎口に落ちようとするが見抜かれ、あらためて抵抗軍として彼と対峙し、勝利をおさめて起爆装置を解体し、古代の帰りを待つ。
その後のシリーズでも、古代とは婚約者のままで、結婚はしていなかったが常に寄り添いサポートしている(ただし、『宇宙戦艦ヤマト 完結編』の後に結婚したらしい)。