松宮孝明
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
松宮 孝明(まつみや たかあき、1958年 - )は、滋賀県生まれの刑法学者。滋賀県立虎姫高等学校を経て、1980年京都大学法学部卒業。1985年同博士課程修了。南山大学法学部専任講師、立命館大学法学部助教授を経て、1995年立命館大学法学部教授。
過失犯論から研究を始め、著作として、『刑事過失論の研究』(1989年)、『過失犯論の現代的課題』(2004)がある。中山研一、浅田和茂と共著の『レヴィジオン刑法1 共犯論』(1997年)は共犯論の必読の書。ほかに論文集として『刑事立法と犯罪体系』(2003年)がある。他に、辰巳法律研究所など司法試験予備校でも講座を受け持っている。
[編集] 人物
弁護士・裁判官・検察官になるための資格試験、司法試験における予備校の役割に対して批判的であり、教育者的立場から示唆に富む以下のようなコメントを残している。なお、松宮教授の在籍する立命館大学はこのコメントの年に行われた司法試験において合格率26%という記録を残しており、これは、合格者10人以上を輩出した全国すべての法科大学院の中で最下位(AERA 2006年10月9日号)の順位である。
「教育効果を上げるためには,教師を信じさせることが必要だと思う。ちょうど,宗教家が「奇跡」を用いて信者を集めようとするように。そこで,筆者も,講義が半分をすぎたところで,「奇跡」をやってみることにした。現行司法試験の過去問題を用いて,それがこれまでの講義で得た程度の知識で簡単に解けることを,板書して示したのである。しかも,予備校が出している「模範答案」(たいていは,「模範」にならない!)よりもはるかに簡単で,わかりやすく,すっきりと。これには,イエスが水面を歩いたのと同じくらいの効果があったようだ。」(受験新報2006年8月号)