東貞蔵
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東 貞蔵(あずま ていぞう)は、白い巨塔に登場する架空の人物。浪速大学医学部第1外科教授、呼吸器外科専攻。62歳。家族は妻の政子、娘の佐枝子。息子がおり、息子にも医者としての道を歩ませようとしたが、無理な勉強と戦時中の食糧不足により夭折。平成版では登山中に事故にあったという設定。もともとは、東都大学の出身であったが、浪速大学医学部第1内科教授・医学部長の鵜飼からの紹介もあり、挫折感を味わいつつ教授として浪速大学に着任した。呼吸器外科の権威という設定。どちらかというと学究肌であり、手術の腕は財前ほどではない。鵜飼とは互いに立てあいながら中央官庁と折衝を重ね、付属病院新館の建築に奔走。しかし、後任教授をめぐって鵜飼は財前を支持、袂を分かつことになる。
財前五郎の師にあたるが、自身の高潔な性格もあり、自分の不在中に雑誌の取材を受けるなどをし、自分を蔑ろにする財前五郎の傲慢な性格を非常に嫌った。そのため、東都大学の後輩に当たる第2外科主任教授の船尾徹からの推薦で、温和な学級肌である金沢大学(2003年に放送されたシリーズでは石川大学となっている)教授菊川昇を教授候補とする。菊川は自らの後継候補としてだけではなく、娘・佐枝子の配偶者としても最適と考えたことによる。その後、第二外科教授就任の際に推薦し、貸しのある同外科・今津教授に内意を打ち明け、菊川支持を取り付けると共に教授会工作を依頼する。今津は財前の学位取得前の師で、財前を快く思わない病理学・大河内教授に東の内意を伝えると共に財前の傲慢な言動を伝え、間接的ではあるが大河内教授の選考委員立候補、そして委員長就任を促す。書類審査の結果、財前、菊川と、財前の前任助教授である徳島大学・葛西が候補として残る。投票の際は「葛西と財前という二人の愛弟子が骨肉相食むのを見るのは忍びない。」と、名台詞をはいて退席。これは現教授の東から後任教授として推薦されない財前に対する同情票を封じるための大芝居であったが、開票の結果、票は割れ、財前、菊川の上位2名での決選投票になる。結果は2票差で財前が勝利。東は傷心のまま定年を待たずに退官する。
退官後は近畿労災病院院長に再就職(2003年度では近畿労共病院院長)。財前が起訴されると、里見脩二や関口仁からの依頼を受け、一審では東北大学名誉教授の一丸博士、二審では関東医科大学助教授の正木徹を紹介した。なお、原作には、控訴審の初公判を傍聴するという内容が記述されている。また、2003年に放送されたシリーズでは、里見脩二に財前五郎が自分の退官日に佐々木庸平の手術を行っていたことを聞き出廷を決意。証言するにあたって院長を辞職する、といったストーリーになっている。
財前五郎が胃癌で倒れると、財前五郎に依頼された里見脩二の頼みで手術を担当するも、肝臓にまで癌が転移しており、切除が不能であった。他に様々な対案がなされたが、どれもデメリットが大きかったため、体力の温存を考えて何も施せず縫合した。術後はしばし往診し、最期の脈を取った。
なお、住所は原作では西宮市夙川で、これは財前の自宅の近所である。しかし、平成版では芦屋市六麓荘(近畿有数の高級住宅地で、芦屋市内でも最高格)となっている。
[編集] 演じた俳優
- 白い巨塔(1966年、映画):東野英治郎
- 白い巨塔 (1967年、テレビ朝日):山形勲
- 白い巨塔 (1978年 - 1979年、フジテレビ):中村伸郎
- 白い巨塔 (1990年、テレビ朝日):二谷英明
- 白い巨塔 (2003年 - 2004年、フジテレビ):石坂浩二
奇しくも初代黄門と4代目黄門がここでも同じ役を演じている。因みに2代目黄門の西村晃は1978年版に滝村恭輔名誉教授役で出演している。