旭ポンズ
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旭ポンズは大阪府八尾市にある旭食品が製造しているポン酢醤油である。昭和42年に発売される。現在では地元大阪ではダントツの人気を誇るポン酢である。キャッチコピーは「完全味付け 喰べてびっくり 旭ポンズ」
[編集] 特徴
徳島産のすだち・ゆず・ゆこうの柑橘果汁をベースに、利尻昆布や鰹節や乾しいたけのだしで味付けている。様々な面で異常なまでのこだわりを持っており、材料はどれだけ値が上がっても納得したものしか使わないと言い切っており、また製造規模が小さいこともあるが、製造量はその日売り切る分しか作らないという。そのため、大量生産ができず、冬場では地元大阪では品薄状態が当たり前になり、買い物客の争奪戦が日常茶飯事になっている。
[編集] エピソードなど
- かつて旭食品は、「太子製麺所」といううどんなどの乾麺を製造する製麺所であった。乾麺だけでは売り上げが伸びないので、うどんつゆを製造する。しかし、夏場は売り上げが伸びるが冬場はさっぱりであったため、冬場に需要のあるポン酢を売り出そうと決意する。
- ポン酢の発売までには苦労の連続であった。現・会長が戦時中に使用していたという上皿天秤を使用し、調味料の配合を研究し、また有用な情報が載っている新聞や文献などもノートに記録した。納得がいくまで研究を重ね、記録したノートは数冊にも及んだ。また、ひそかに「ふぐのづぼらや」のポン酢を持って帰り、その味を盗む日々もあった。何年もの研究を重ね、試行錯誤の末発売に至ったと言う。
- ポン酢を発売した当初は、全く売れず、得意先に原価での販売を依頼したくらいである。そのため、業績は下降の一途を辿り、旭食品が倒産寸前にまで追い込まれた。しかし、オイルショックがきっかけで家庭で食事する機会が増えたため、自然と売り上げが伸び、業績が回復した。
- 旭ポンズが爆発的なヒットするきっかけが、関西で絶大な人気を誇る歌手・やしきたかじんが再三テレビ・ラジオで「旭ポンズはうまい。これ食べたら他のポン酢は食えん」と言ったのがきっかけで大阪を中心に爆発的なヒットとなり、多くの著名人が愛用するようになった。
- 余談だが、旭ポンズは当初、瓶にかぶせるだけのキャップで使い勝手が非常に悪かった。やしきたかじんが旭食品に「カルピスのようなキャップにしてくれ」と要望し、使い勝手のよいキャップに改善された。