新野県
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新野県(しんやけん)は中華人民共和国の河南省南陽市に属する県。後漢を興した光武帝が一時身を隠していた地域であり、また後漢末には曹操に敗れた劉備が一時身を落ち着けていた地域として知られる。
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[編集] 人口
約73万人(2002年現在)。また、このうち市街地に居住している人口は20万人ほどである。
[編集] 面積
県の総面積は1,026平方キロメートル。9鎮・5郷(資料によっては7鎮7郷)を有する。
[編集] 歴史
『漢書』に南陽国に属する県として名が見える。前漢末には王莽が新都侯に封ぜられ、新野の都郷1,500戸を与えられている。新の時代には光武帝が一時この地に逃れていたことで知られる。また、『後漢書』地理志には荊州南陽郡に属するとして記載されている。後漢末には独立勢力であった劉備が曹操に敗れ、荊州に割拠していた劉表を頼った際に拠点として与えられた地である。西晋期に義陽郡が建置された際には同郡に所属を移している。
南陽市新野県として出発したのは中華民国統治時代の1947年のことである。
[編集] 産業
農牧業を中心とし、人口の大部分も同産業に従事している。ただし河南省は降水量が全体に少ないため、ブランドである「南陽黄牛」を中心とした牧畜や、綿花の栽培及びそれを利用した紡績産業が中心である。他には小麦やトウモロコシ、また落花生などの油脂が取れる産品なども生産している。また、近年では無農薬農作物の生産にも力を注いでいる。
[編集] 行政区画
- 鎮:歪子鎮 沙堰鎮 施庵鎮 城关鎮 五星鎮 王庄鎮 溧河铺鎮 王集鎮 新甸铺鎮
- 郷:城郊郷 前高庙郷 樊集郷 上庄郷 上港郷