文献通考
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
文献通考(ぶんけんつこう)は上古から南宋寧宗朝の開禧3年(1207年)に至る歴代の制度の沿革を記した中国の政書。
元の延祐4年(1317年)、馬端臨(生没年、1254年 - 1324年)が完成させた。全348巻、考証3巻を付す。
唐の杜佑の通典をモデルとするが、考証は正確で、宋代の制度が詳しく、宋史の志の部分や宋会要の欠を補う史料的価値があり、政書のなかでは最も成果があった。本書が100年も前の寧宗朝までしか記さなかったのは、散佚して伝わらない宋朝国史の志の部分を参考にしたためであると考えられる。宋朝国史は、寧宗朝までしか編纂されていなかった。また経籍考は、郡斎読書志や直斎書録解題に基づいて書かれている。
撰者の馬端臨は江西楽平県の人である。
[編集] 内容
- 田賦 土地制度論
- 銭幣 通貨論
- 戸口 人口戸籍論
- 職官 官僚制度論
- 征榷 各種税制論
- 市糴 市場統制論
- 土貢 各地特産論
- 国用 物資輸送論
- 選挙 官吏任用論
- 学校 太学など学校制度論
- 郊社 国家祭祀論
- 宗廟 祖先祭祀論
- 王礼 王者典礼論
- 楽 音楽制度論
- 兵 軍事制度論
- 刑 刑罰制度論
- 経籍 古典書籍論
- 帝系 皇帝系譜論
- 封建 封建制度論
- 象緯 天文観測論
- 物異 怪奇現象論
- 輿地 国内地理論
- 四裔 外国地理論