感熱紙
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
感熱紙(かんねつし)は、熱を感知することで色が変化する紙である。熱転写紙とも。
印刷面には光沢があり、ここに熱により化学反応を起こして変色する物質を塗布してある。この面に文字や図形の形に合わせて熱するとそれらを浮かび上がさせることができる。温度が高いほど濃く、低いほど淡くなるが、常温では短時間で変色しない。色は黒色に変化するものが多いが、紺色やセピア色のものも存在する。
長期保管には向かず、印字後に湿気や脂分を含んだり光に当たることで徐々に全体が変色、あるいは反転部分が元の色へ戻る。扱いに注意することで保存日数を伸ばすことができるが、それでもあまり長くはない。
ファックスやレシートの印刷に主に使用される他、自動券売機などで多く使われている。また、ワープロ専用機の内蔵プリンタも感熱紙を利用するものが多く存在した。感熱紙への印刷は熱源があればよいため、インクやトナーを必要としない。