愛玉子

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愛玉子（オーギョーチー）は台湾由来のゼリー状のデザート（菓子）である。

[編集] 概要

台湾北部の山間地に自生し、中国語で「愛玉」と呼ばれるクワ科イチジク属のつる性種、カンテンイタビ（学名：Ficus awkeotsung Makino）の果実に含まれているペクチン質を抽出してゼリー状にしたものである。

カンテンイタビは日本にも自生するオオイタビ（学名：F. pumila L.）に近縁なイタビカズラ類の一種で、他のイチジク属の植物と同様、花嚢と呼ばれる嚢状体の中に花をつける。イタビカズラ類は雌雄異株で、雌株の花嚢内の雌花が共生するイチジクコバチ類によって受粉すると、内部に多数の微細な果実を含んだ花嚢と呼ばれる嚢状体に成熟する。

イチジクの場合、熟した果嚢は全体がやわらかく熟し、食べられるようになるが、カンテンイタビやオオイタビは嚢状体の壁は堅くなり、熟すと裂け、ペクチンを多く含むジャムのようなものに埋まった、ゴマの種子に似た、微細な果実の塊を露出する。このジャムのような果実の塊はそのままでも食べられるが、この果嚢を裏返して乾燥して保存し、愛玉子の材料に用いる。乾燥した果実の塊を布袋に入れて水に漬けてもむと、果実をくるむペクチン質の部分が溶け出し、水を吸ってゲル状に膨潤して愛玉子となる。

そのままでは、無味なのでレモンシロップなどをかけて食べる。

日本では東京・上野の東京芸術大学の裏手にあるその名も「愛玉子」という店で戦後一時中断したものの、古くから出されており、地の利のためか、芸大出身者などの文化人にひいきにされてきた。飲茶専門店、点心専門店、バーミヤンでもで食べることができる。