待避駅
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待避駅(たいひえき)とは優等列車が、普通列車を追い越す為の設備がある駅で、この主に列車の待避のために使用される副本線を待避線と言う。優等列車が運転されている路線の大半に設けられている。 路線によっては追い越す方・追い越される方の双方が優等列車の場合や普通列車の場合もある。
待避の種類には、接続して追い越す「接続追越」と、通過して追い越す「通過追越」の2つが有る。
[編集] 接続追越
優等列車の停車駅で、優等列車と普通列車が、互いに接続して追い越す事。待ち合わせ、緩急接続とも言う。主に地上線で使われる。
この場合、普通列車の乗客が急いでいる時は、優等列車に追い越される駅で直接乗り換えられるので便利だが、上り・下りともに同一駅で向かい側に乗換可能な形の待避を行うためには駅を島式ホーム2つの、2面4線以上にする必要があり、より広い建設用地が必要になる。また混雑が優等列車に集中してしまうことが多い。 尚、上りまたは下りの片方向しか行わない、または、上りまたは下りの何れかは階段を利用する乗換となる場合は2面3線程度あれば十分である。 但し、2面3線以下にした場合は乗客が列車によっては階段を使った乗換が必要などの不便が発生したり、待避線を上下で共用する場合(この場合の待避線を特に中線と言う)は上下列車が同時に待避できない等の運用上の制約が発生したりすることがある。
[編集] 通過追越
優等列車が停車しない駅で、通過して普通列車を追い越す事。通過待ち、緩急分離とも言う。主に地下鉄や、新幹線、有料特急列車の待避に使われる。
この場合、通過する優等列車のホームは不要で通過線を作るだけで良いので建設費を安く出来るが、優等列車と普通列車が直接接続出来ないので、普通列車の乗客が急ぐ時は優等列車に追い越される駅を把握し、手前の優等列車停車駅で降りて待つ必要が有る。
また、手前の優等列車停車駅と通過追越される駅の間の駅の乗客は、優等列車に乗車できないどころか、通過追越される駅で長時間停車する為不便になる。
前者は追越される駅の手前の優等列車停車駅で、追越される旨の車内放送をする事で対処しているが、後者は通過追越が多い路線では解決できない問題となっている。
通過追越を構造上は接続追越が可能な駅で行うこともある。