師管区

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師管区（しかんく）は、大日本帝国陸軍の組織。国内を数箇所に区分けした軍管区の下に位置し、更にその域内を複数の連隊区に分けた。略して師管。

目次 1 明治に始まる師管 2 本土決戦を睨む師管区司令部 3 終戦時の師管区 4 関連項目

[編集] 明治に始まる師管

師管区は、明治6年に軍管が定められた時に始まる。この年名古屋・広島両鎮台を設置した事によって全国の防衛体制が漸く整い始めた。この鎮台に対応する区域が軍管で、一鎮台一軍管として東京を第一軍管として熊本まで計六軍管。そして鎮台の設けられていない北海道は第七軍管である。軍管の下位に師管が定められ、夫々の軍管を二・三個に分けた。設けられた師管区は十四個、鎮台条例の改正によって定められた。この時は師管に営所が設定されていた。営所とは屯営の事で、今で言う｢駐屯地｣である。夫々の軍管と師管・営所の関係は次の通り。（表中、北海道は別個の防衛体制を執った事から師管は設定されていない。）

軍管（鎮台）	師管	営所所在地
第一軍管（東京）	第一師管	東京
	第二師管	佐倉
	第三師管	新潟
第二軍管（仙台）	第四師管	仙台
	第五師管	青森
第三軍管（名古屋）	第六師管	名古屋
	第七師管	金沢
第四軍管（大阪）	第八師管	大阪
	第九師管	大津
	第十師管	姫路
第五軍管（広島）	第十一師管	広島
	第十二師管	丸亀
第六軍管（熊本）	第十三師管	熊本
	第十四師管	小倉
第七軍管

[編集] 本土決戦を睨む師管区司令部

当初は複数の連隊区を纏めた区域でしかなかった為師管区に司令部は置かれなかったが、昭和20年の大戦末期には防衛計画の見直しから、それまでの留守師団を改編し師管区司令部を編制し担任区域の防衛もあわせて担任した。域内の連隊区司令部と同じ区域に地区司令部を併置し、連隊区司令官が地区司令官を兼ねた。朝鮮半島の海外領土にも師管区司令部が設置されたが、海外領土に連隊区司令部は置かれず兵事部が設置された。師管区司令部にはそれまでの留守師団と同じく補充兵からなる補充隊が編成され、それぞれ歩兵連隊・砲兵連隊・工兵連隊に準じて配置され、管区内に陸軍病院を持った。師管区司令官は中将が任命され、参謀長・兵事部長が置かれたが、殆どの各管区司令官は予備役の中将を召集して任命された。

[編集] 終戦時の師管区

※括弧内は夫々師管区司令部の編成時期とその母体。

• 弘前師管区（昭和20年4月1日留守第57師団司令部を改称）
• 仙台師管区（昭和20年4月9日留守第2師団司令部を改称）
• 東京師管区（昭和20年4月1日留守近衛第2師団司令部を改称）
• 宇都宮師管区
• 長野師団管区（昭和20年4月1日留守第54師団司令部を改称）
• 名古屋師管区（昭和20年4月1日留守第3師団司令部を改称）
• 金沢師管区（昭和20年4月1日留守第52師団司令部を改称）
• 京都師管区（昭和20年4月1日留守第53師団司令部を改称）
• 大阪師管区（昭和20年4月1日留守第4師団司令部を改称）
• 善通寺師管区（昭和20年4月1日創設されるが6月12日四国軍管区司令部と改称）
• 広島師管区（昭和20年4月1日創設なるが6月12日中国軍管区司令部と改称）
• 久留米師管区（昭和20年4月1日留守第56師団司令部を改称）
• 熊本師管区（昭和20年4月1日留守第6師団司令部を改称）
• 旭川師管区（昭和20年2月28日留守第7師団司令部を改称）
• 羅南師管区（昭和20年2月9日新設）
• 平壌師管区（昭和20年2月28日留守第30師団司令部を改称）
• 京城師管区（留守第20師団司令部を改称）
• 大邱師管区（昭和20年2月9日新設）
• 光州師管区（昭和20年2月9日新設）

[編集] 関連項目

• 旅管