小野神社 (東京都)
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小野神社(おのじんじゃ)は、東京都多摩地方にある神社である。
式内社で、武蔵国総社の六所宮(現在の大國魂神社)に祀られる神のうちの一宮であるが、多摩地方には式内・小野神社の論社が、多摩川をはさんで多摩市(一ノ宮1-18-8)と府中市(住吉町3-19-3)の2か所にある。旧社格はどちらも郷社。多摩川の氾濫ともない遷座を繰り返した結果2社になったとも、どちらかが本社でもう一方は分祠であるともいう。
両社とも、天下春命と瀬織津比賣命を祭神としている。天下春命は知々夫(秩父)国造の祖神である。ただし、延喜式神名帳では座数は一座となっている。『江戸名所図会』では「瀬織津比賣一座」とある。『神名帳考證』では小野氏の祖の天押帯日子命としている。
両社とも、安寧天皇18年2月創建と社伝に伝える。府中市の小野神社は、近くの六所宮(大國魂神社)に対する崇敬が高まるにつれて衰微した。多摩市の小野神社は、後北条氏、太田道灌らの崇敬を受けて栄えた。明治6年に両社とも郷社に列格した。
なお、多摩地方には他に町田市にも小野神社が存在する。これは小野神社 (町田市)を参照されたし。