小田島雄志
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
文学 |
ポータル |
各国の文学 記事総覧 |
出版社・文芸雑誌 文学賞 |
作家 |
詩人・小説家 その他作家 |
小田島 雄志(おだしま ゆうし、1930年 12月18日-)は、日本の英文学者、演劇評論家。満州生れ。東京大学英文科卒。同学大学院修士課程修了。
国学院大学兼任講師、津田塾大学専任講師の後、1968年より東京大学教養学部講師となり、助教授、教授。定年後は文京女子短期大学教授を勤めた。現在、東京大学名誉教授、東京芸術劇場館長。 『シェイクスピア全集』で、坪内逍遥に続いてシェイクスピアの全戯曲を翻訳し、1980年に芸術選奨文部大臣賞を受賞。 紫綬褒章を受章、文化功労者に選ばれる。
駄じゃれを得意とし、シェイクスピア作品に頻出する言葉遊び(パン)を「皇太子だろうが明太子だろうが」といった調子で訳して話題を呼び、その朴訥な人柄が愛されてテレビのヴァラエティー番組への出演もあった。『ハムレット』の「生きるべきか、死ぬべきか」という台詞を「このままでいいのか、いけないのか」と訳したのも有名。
若子夫人とは共訳も多いが、東大英文科の同期生で、早くに両親を亡くして奨学金で大学へ行き、卒業後八丈島の高校教師になった夫人に、八丈島まで行って求婚したという。子供が二人できて東大講師になっても貧しく、狭い官舎で仕事ができず、喫茶店で仕事をする習慣になったとか、英国に留学した友人の高橋康也から、ピーター・ブルックの舞台を是非観ろと言われ、あちこち借金して英国に渡ったなど、可憐なエピソードが多い。息子の恒志も英文学者、早大助教授。
[編集] 著書
- 『ジョン・オズボーン』(研究社出版、1970)
- 『シェイクスピアより愛をこめて』(1976年、晶文社)
- 『珈琲店のシェイクスピア』(1978年、晶文社)
- 『シェイクスピアの花咲く頃』(1980年、晶文社)
- 『シェイクスピア物語』(岩波ジュニア新書, 1981)
- 『小田島雄志のシェイクスピア遊学』(1982年、白水社)
- 『シェイクスピアへの旅』(1983年、朝日新聞社、のち朝日文庫)
- 『夫婦で朝帰り』(1983年、阪急コミュニケーションズ)※小田島若子との共著
- 『ハムレットと乾杯!』(1984年、晶文社)
- 『シェイクスピアの人間語録』(1985年、PHP研究所)
- 『シェイクスピア名言集』(1985年、岩波ジュニア新書)
- 『小田島雄志の芝居がいっぱい』(1987年、講談社)
- 『シェークスピア劇のヒーローたち』(日本放送出版協会, 1989)
- 『道化の目』(1990年、白水社、のちUブックス)
- 『小田島雄志の芝居散歩』(1992年、白水社)
- 『シェイクスピア・ギャラリー』ジョン・ボイデル編 (社会思想社、1992)
- 『詩とユーモア イギリス演劇ノート』(白水社、1995)
- 『半自伝このままでいいのか、いけないのか』(1999年、白水社)
- 『駄ジャレの流儀』(2000年、講談社、のち文庫)
- 『気分はいつもシェイクスピア』(2003年、白水社)
- 『シェイクスピアに学ぶ老いの知恵』(2003年、幻冬舎、のち文庫)
- 『ユーモアの流儀』(2003年、講談社)
- 『(シェイクスピアの)遊びの流儀』(2005年、講談社)
[編集] 訳書
- 『ナバラ 詩集』C.D.ルイス 国文社, 1956
- 『劇作とシナリオ創作』J.H.ロースン(岩崎昶との共訳)岩波書店, 1958
- 『マクバード! 』バーバラ・ガーソン 河出書房, 1967
- 『不条理の演劇』マーティン・エスリン 晶文社, 1968
- 『蜜の味』シーラ・ディレーニー 晶文社, 1970
- 『ピンター戯曲全集』第1 (喜志哲雄,沼沢洽治との共訳)竹内書店, 1970
- 『現代演劇論』エスリン、白水社 1972
- 『シェイクスピア全集』全7巻(白水社、1973-80、のち白水Uブックス)
- アーノルド・ウェスカー『友よ』晶文社、1974
- グレアム・グリーン『名誉領事』(ハヤカワ・ノヴェルス、1974)
- トルーマン・カポーティ『犬は吠える』(早川書房、1977)
- 『ハロルド・ピンター全集』(喜志哲雄,沼沢洽治との共訳)新潮社、1977
- 『クリストファー・ロビンのうた』A.A.ミルン(小田島若子との共訳)晶文社、1978
- 『クマのプーさんとぼく』ミルン(同)晶文社、1979
- 『花咲くチェリー ロバート・ボルト戯曲集』木村光一との共訳、劇書房、 1981
- ローレンス・オリヴィエ『一俳優の告白 ローレンス・オリヴィエ自伝』(文藝春秋、1986)
- 『カッコーの巣の上を』ケン・キージー原作、デール・ワッサーマン脚色( 若子との共訳)劇書房、1986
- T・ウィリアムズ『ガラスの動物園』(新潮文庫、1988)
- T・ウィリアムズ『欲望という名の電車』(新潮文庫、1988)
- アン・エドワーズ『キャサリン・ヘプバーン』(文藝春秋、1990)
- 『レイ・クーニー笑劇集』(小田島恒志との共訳)劇書房、1994
- 『シェイクスピアのソネット』山本容子画、文芸春秋、1994
- 『リリアン・ヘルマン戯曲集』新潮社、1995
- 『シェイクスピア劇場』ジャクリーン・モーリー(恒志との共訳)三省堂、1995
- 『あわれ彼女は娼婦・心破れて』(エリザベス朝演劇集) ジョン・フォード白水社, 1995
- 『マルタ島のユダヤ人・フォースタス博士』同、クリストファー・マーロー 白水社, 1995
- 『復讐者の悲劇・無神論者の悲劇』同、シリル・ターナー 白水社, 1996
- 『ヴォルポーネ・錬金術師』同、 ベン・ジョンソン 白水社, 1996
- 『白い悪魔・モルフィ公爵夫人』同、ジョン・ウェブスター 白水社, 1996
- 『クマのプーさんの哲学』ジョン・T.ウィリアムズ(小田島則子との共訳)河出書房新社, 1996
- 『クマのプーさん全集』ミルン(石井桃子,小田島若子との共訳)岩波書店, 1997
- アントン・チェーホフ『桜の園』(白水Uブックス、1998、英訳から)
- アントン・チェーホフ『かもめ』(白水Uブックス、1998、同)
- アントン・チェーホフ『ワーニャ伯父さん』(白水Uブックス、1999、同)
- アントン・チェーホフ『三人姉妹』(白水Uブックス、1999、同)
- T・ウィリアムズ『やけたトタン屋根の猫』(新潮文庫、1999)
- 『事件の核心』グレアム・グリーン、早川epi文庫、2005
[編集] 教科書
- オールシーズンズ(1968年、金星堂)
- セントジョン(1971年、金星堂)