孔融
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孔融（こうゆう、153年-208年）は、中国後漢末期の人。字は文挙。孔子20世の孫に当たる。出身地も遠祖の孔子と同じく青州魯国の曲阜県である。父は孔宙、兄は孔襃。子の名は不詳。
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[編集] 略要
[編集] 生涯
若年期より英明の誉れ高く、そのまま後漢の朝廷に仕えた。一時逼塞するが、後漢の最混乱期に北海国の相となり、さらに青州刺史として黄巾賊で荒れる山東地域を支えた。また、そうした中でも鄭玄を招聘して学校を開くなど、儒学の教布に努めた。また鄭玄の紹介で劉備と親交し、後に陶謙の遺託で、徐州刺史に強く推挙したという。また、孫乾を劉備の参謀とすべく計らったともいう。
その後、一時的に青州は安定する。だが、今度は近隣で袁紹が急速に勢力を拡大し、孔融も袁紹の長子・袁譚に攻められ、許昌に逃亡した。その後は中央の朝廷に仕え、孔子の子孫という立場と威厳ある風貌、さらには類まれなる文才で文人サロンの中心的存在となった。後に「建安の七子」の一人に挙げられている。但し、政務の評判は必ずしも芳しくなかったといわれる。
同時に孔融は、朝廷内の時の権力者で儒教への偏向を嫌い、その弾圧を奨励した曹操とは相性が適わず、常に対立していた。また、傲岸な孔融は例の前例を喩えて理屈っぽく曹操を厳しく詰った。しかし、南方への遠征を目前の208年に、激怒した曹操はついに目に余った孔融とその妻と息子と娘と孫ら孔氏一家を逮捕し、一家揃って処刑した。齢57。このために孔融の子孫は途絶えたという。曹操が聖人孔子の子孫を殺害したことは、後々まで曹操が非難される理由の一つとなった。
[編集] その他
『後漢書』に孔融伝が立っている他に、『三国志』にも彼についての記述がある。なお、正史（三国志）には、孔融以外のその他の孔子の子孫としては、魏の大鴻臚・孔乂その子孔恂と、同じく魏に仕えた宗聖侯・孔羨らの名が記されており、歴史書に登場している。
子供の頃から頭が切れ、周りからも高く評価されていた。それが面白くなかった父親の知り合いに「子供のうちから頭がよいと大人になってから頭が悪くなるぞ」といわれた。しかし、孔融は平然として「では貴方は子供の時はとても頭がよかったのですね」と理屈っぽく言い返した。という逸話がある。
[編集] 『後漢書』『三国志』以外に見る孔融
『世説新語』に多く取り上げられている。才知、機智に優れた人物として扱われる。また、『三国志演義』にも登場する。正史と同様、事あるごとに、曹操を厳しく批判している。
[編集] 孔融を題材とした作品
- 陳舜臣『中国畸人伝』（中公文庫、2005年）
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