女王陛下のユリシーズ号
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『女王陛下のユリシーズ号』(じょおうへいかのゆりしーずごう、H.M.S. Ulysses)は、イギリスの作家アリステア・マクリーンが1955年に発表した海洋冒険小説。第二次世界大戦中、ソ連に援助物資を送る架空の輸送船団FR77とドイツ軍との死闘を、FR77の護衛部隊の旗艦、巡洋艦ユリシーズを中心に描いた作品。 日本語版は、早川書房のハヤカワ文庫から出版されている。
[編集] あらすじ
過去20ヶ月の厳しい任務で疲弊しきったユリシーズに、再び輸送船団の護衛任務が命じられた。乗組員の不満はピークに達し反乱の兆しすら見える中、病身にむち打つヴァレリー艦長以下、乗組員たちは再び北極海へと艦を進める。しかしその北極海では、最悪の海象の中、ドイツ軍の潜水艦と爆撃機が船団を虎視眈々と付け狙っていた。
[編集] 題名について
現代の「H.M.S. Ulysses」とはHis・Her Majesty's Shipの略であり、語頭の所有格は在世の君主の性別によって異なる。直訳すれば「国王・女王陛下の船」となり、「英政府の軍艦」というほどの意味である。本作で描かれる第二次世界大戦中、イギリスの元首はジョージ6世であったため、本来本作の題名は『国王陛下のユリシーズ号』と訳されるべきであった。しかし『女王陛下のユリシーズ号』という題名による日本語初訳版は名作との評価を受けており、この題名がすっかり定着している。