夢枕獏
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夢枕 獏(ゆめまくら ばく、1951年1月1日 - )は、神奈川県小田原市生まれの日本の小説家、エッセイスト、写真家。神奈川県立山北高校から東海大学文学部日本文学科に進み、卒業した。男性。
作家としてデビューする以前は、出身地でもある小田原市内で書店などを展開している「伊勢治書店」に勤務していた。 そのためか、ダイナシティ店・小田原駅前の本店などでは氏が店員と談笑している姿などが目撃されている。
本人曰く、「エロスとバイオレンスとオカルトの作家」で、密教ネタを散りばめたエログロの伝奇バイオレンスや、ひたすら男たちが殴り合う本格格闘小説を得意とする(当然の事ながら商業デビュー直後から得意ジャンル一本槍では無く、集英社コバルト文庫他で少女向け小説やジュヴナイル・ノベルなども執筆している)。漫画の原作となった作品は数多く、中でも『餓狼伝』は谷口ジロー、板垣恵介という実力派によって漫画化された。『BSマンガ夜話』の準レギュラーでもある。
旅行や釣りが趣味で、ヒマラヤ登山や、玄奘三蔵の歩んだ道を追体験するルート、アラスカの原野紀行などのハードな冒険にも挑んでいる。ヒマラヤ登山を扱った著作に、『神々の山嶺』がある。釣りに関しては、「川の学校」で講師を務める。
本人は格闘技経験は無いものの、熱心なプロレス・格闘技ファンであり、その方面の著作も多数存在する。『空手道ビジネスマンクラス練馬支部』では、格闘技経験のない中年男性が武道に出会い、体験する様をリアルに描写するためにモデルとなった大道塾に一時入門し、倒れるまで稽古に参加した。プロレス業界では、『関節技の鬼』の異名をとる藤原喜明に実際に数十の関節技をかけてもらうなど(本人いわく『自殺志願者でもあの痛みからは逃れようとするだろう(大意)』)、リアリズムの追求のための体当たりな取材には人気が高い。また、K1の提唱者のうちの一人でもある。
数々の作品を手がけるが非常に遅筆であり一部の中編(この場合は単行本一冊程度)をのぞき現在までに完結した作品は少ない。
[編集] 経歴
- 1977年
- 筒井康隆が主宰する同人誌『ネオ・ヌル』にタイポグラフィック作品『カエルの死』を発表。同品が『奇想天外』に転載されデビュー。
- 1982年
- 『キマイラ・吼』シリーズの第一作『幻獣少年キマイラ』をソノラマ文庫から刊行。
- 1984年
- 『魔獣狩り』シリーズの第一作『魔獣狩り(淫楽編)』を祥伝社から刊行。一躍ベストセラー作家となる。
- この儲けで豪邸を建てたため、「淫楽御殿」と呼ばれる。
- 1988年
- 1989年
- 第10回日本SF大賞を『上弦の月を喰べる獅子』で受賞。
- 1990年
- 第21回星雲賞(日本長編部門)を『上弦の月を喰べる獅子』で受賞。
- 1991年
- 第22回星雲賞(日本短編部門)を『上段の突きを喰らう獅子』で受賞。
- 1998年
- 2001年
- 2003年
- 『陰陽師2』が劇場公開される。
- 手塚プロダクションの映画、『ぼくの孫悟空』の脚本を担当する。
[編集] 作品リスト
- カエルの死
- 猫弾きのオルオラネ
- 「キマイラ・吼」シリーズ
- 「魔獣狩り」シリーズ
- 「闇狩り師」シリーズ
- 「餓狼伝」シリーズ
- 「獅子の門」シリーズ
- 「陰陽師」シリーズ
- 上弦の月を喰べる獅子
- 神々の山嶺
- 沙門空海唐の国にて鬼と宴す
- 超高層ハンティング
- 空手道ビジネスマンクラス練馬支部
- 荒野に獣慟哭す
- 「知るを楽しむ この人この世界 夢枕獏 奇想家列伝」NHK
このほかに写真集や画集、エッセイ集など多数。