固技

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固技（かためわざ）は、組み技系の格闘技・武道において、対戦相手を地面にうつ伏せないし仰向けの状態にして、その動きを封じる技を言う。

基本的には寝技が多いが、固め技のすべてが寝技の範疇に入るわけではない。逆もまた然りであり、この両者は「互いに重なり合う範囲が大きい」カテゴリと言える。

目次 1 概説 2 柔道 2.1 抑込技9本 2.2 絞技11本 2.3 関節技9本 3 外部リンク

[編集] 概説

近現代の固め技は、おそらくそれ以前のものとは性格を異にする。時代で分類するのが正しいとも言い切れないが、少なくとも戦場の格闘において、相手を傷つけずに一対一で一定時間固定する技の有効性は著しく低いと言える。固め技の各技法は、相手を固定すると同時に自分の位置も固定する性質を持ち、多敵状況においてその行動は無意味に己の身を危険に晒す行為となってしまうゆえである。

そういった背景から俯瞰すると、寝技の項目にもあるように、その抑えこむ技法は相手を仕留めるための繋ぎの技であり、頚部を絞めたり逆関節を取ったりするのは窒息による気絶・関節の破壊などを目的としていると考えられる。

試合や稽古において、固め技が決まっており逃げられない（あるいは危険を感じた）とき、かけられている側は相手の身体の一部、あるいは床などを掌で二回以上叩いて（タップ）降参を知らせるようにする流派が多い。一回でないのは、反撃や偶然との混同を避けるためである。

そのような合図が必要となるのはまさしく固め技の特質であって、これは非常に危険なものとなりえる。そのため少年部のある武道・格闘技でも、年少者には使用を許可しない技も多い。

同時に固め技は、実力の大きく優るものが使えば、相手を傷つけずに制圧することができるという技術特性を持つため、逮捕術などにも導入・応用されている。これは突き・蹴りなどの打撃技においては不可能なことであるが、無論固め技は単独で使用可能なものではなく、優れた防御技や、あるいは相手を怯ませ、倒すような打撃技・投げ技が無ければその目的を果たすことは出来ない。なお現場の警察官の中で、投げ・固め技により無傷で捕らえることを求めるゆえに相手に組み付く姿勢を取り、ナイフなどの刃物によって負傷したり死亡したりする例が、組み技系格闘技の経験者には（打撃系経験者と比して）多いという。

そういった面も踏まえてのことであろうが、日本武術の柔術の流派によっては「固めるその動作」だけではなく「敵の攻撃をさばいて地に倒し固めるまで」の一連の動作を指して固め技と呼ぶところもある。

[編集] 柔道

柔道における定義では、固技はその技の分類の一つで、相手の背，両肩または片方の肩を畳につくように制したもの。

抑込技（おさえこみわざ）9本、絞技（しめわざ）11本、関節技（かんせつわざ）10本がある。

[編集] 抑込技9本

• 肩固（かたがため）
• 袈裟固（けさがため）
• 崩袈裟固（くずれけさがため）
• 崩上四方固（くずれかみしほうかため）
• 上四方固（かみしほうかため）
• 縦四方固（たてしほうかため）
• 浮固（うきがため）
• 後袈裟固（うしろけさがため）
• 横四方固（よこしほうかため）

[編集] 絞技11本

小学生以下では禁止である。

• 逆十字絞（ぎゃくじゅうじじめ）
• 裸絞（はだかじめ）
• 片羽絞（かたはじめ）
• 片十字絞（かたじゅうじじめ）
• 片手絞（かたてじめ）
• 並十字絞（なみじゅうじじめ）
• 送襟絞（おくりえりじめ）
• 両手絞（りょうてじめ）
• 三角絞（さんかくじめ）
• 袖車絞（そでぐるまじめ）
• 突込絞（つっこみじめ）

[編集] 関節技9本

中学生以下では禁止である。

• 腕挫脚固（うでひしぎあしがため）
• 腕挫腹固（うでひしぎはらがため）
• 腕挫膝固（うでひしぎひざがため）
• 腕挫十字固（うでひしぎじゅうじがため）
• 腕挫三角固（うでひしぎさんかくがため）
• 腕挫手固（うでひしぎてがため）
• 腕挫腋固（うでひしぎわきがため）
• 腕挫腕固（うでひしぎうでがため）
• 腕緘（うでがらみ）

[編集] 外部リンク

• 寝技柔道聞きかじり(柔道の寝技の解説）
• 総合格闘技を極める！！（総合格闘技の寝技の解説）