四連装砲塔

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四連装砲塔（よんれんそうほうとう）は砲塔への大砲の装備方法の一つで一基の砲塔に4門の砲を装備した形式を指す。一般には横方向に同口径の砲四門を並べたものが多い。

戦艦ではフランス海軍の超弩級戦艦「ノルマンディー級」（未成）、「ダンケルク級」「リシュリュー級」、イギリス海軍の「キングジョージV世級」のみが採用している。

四連装砲塔の利点は、連装砲塔より軽い事である。同口径の連装砲塔3基分の重量と四連装砲塔2基の重量は同一とされ、同じ門数8門の場合、後者の方が連装砲塔1基分の重量が浮く。

しかし、砲搭数が連装、三連装と比べて数が少なくなる為に砲塔1基が破壊された時の戦力減少が激しく、また、砲塔を支えるターレット径が大きくなるので工作が困難になり、船舶では全幅の増大に繋がる等、様々な弊害が出る為に各国とも、主砲口径が増大するにつれ採用を止めていった。

また、構造上、砲座重量が大きく、揚弾機構が複雑化するため、工作・設計が困難で技術的な問題も多く、本家フランスでも未成だったノルマンディーの主砲設計を流用したダンケルク級の四連装砲塔では最初の半年間は故障の対処に追われたが、単なる初期故障の範囲に収まり、以後は除籍の日まで大きなトラブルは発生しなかったと言う。続く2番艦のストラスブールでは細かい故障が出たものの一ヶ月で解決した。これは技術的冒険を避けて連装砲を並列に2基配置し、四連装砲塔とした為で、砲身被弾時の喪失門数を2門に限定できた。

対照的なのはイギリスで、純粋な4連装砲形式とした為に竣工当時から故障が続出し、最初の数年間は故障の対処で追われ、実戦どころではなかったと言う。

このことから、キングジョージV世級の事例のみを取り上げて「四連装砲塔は故障が多く、実際の戦闘では被弾で早々に戦闘能力を喪失しやすい」と言う説を掲載している資料はリサーチが不足した信憑性の低いものと判断しても間違い無い。 これは、近代軍艦を調べるにあたって信頼に足る資料か否かを見定める一つのポイントである。