台湾素食
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台湾素食(たいわんそしょく、タイワンスーシー)とは台湾の菜食主義料理。元来は宗教的な理由で食べられていた精進料理。素食とは中国語で菜食の意味で「質素な料理」ではない。
台湾料理は肉料理のイメージが強いが、健康志向の高まりも手伝って素食は台湾の日常食になっている。台湾には素食専門店を表す卍マークを看板に付けた食堂が至るところにある。
素食には肉や魚を使わず、動物由来の油、卵、乳製品も一切使わないのが一般的。出汁にも肉や魚介類を一切使っていない。昆布とシイタケも食材として頻繁に使われる。 素鶏、素魚、素肉と呼ばれるモドキ料理は湯葉、豆干などの豆腐食材、お麩などのグルテン、蒟蒻などの食材を用いて肉や魚やイカの食感を巧みに表現している。なかでもグルテンを白身に海苔を皮に見立てたウナギ料理は本物と騙されるほどうまく作られてる。 ベジタリアン料理というと「青臭い生野菜や味の薄い代用料理」と思われがちだが、台湾素食はベジタリアン料理を食べなれない者でも満足出来るボリューム感がある。
台湾で素食は高級レストランから屋台まで幅広く食べられるが、中でも素食の自助餐(セルフサービス食堂)はごく一般的な庶民の味だ。保温され並べられた料理を客が自由に取りレジで会計する、臭豆腐は単独の鍋で保温してある定番の一品、ご飯は白米以外に玄米や五穀米など2、3種類から選べる、スープも素食で通常は無料、などが素食自助餐の基本的なスタイルである。
[編集] 台湾外での知名度
欧米ではベジタリアン文化が浸透しているため、海外で出版される台湾の旅行ガイド本に台湾素食は必ず紹介されている。台湾で生活する外国人にとっても素食は広く定着している。
[編集] 関連項目
- 台湾料理
- 精進料理
- 菜食主義
- 精進うなぎ
- 攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG 台湾素食を題名にしたエピソードがあり、その中で正確な描写がされている。