叡山電鉄デオ900形電車
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叡山電鉄デオ900形電車(えいざんでんてつでお900がたでんしゃ)は、きららの愛称で知られる、叡山電鉄(以下叡電)の鉄道車両。
[編集] 概要
京都市営地下鉄烏丸線が国際会館まで延伸されたことに伴う乗客減を“観光路線”としてもアピールする事で利用客の回復を目指し、1997年10月4日第1編成が登場した。
製造は従来の叡電の車両と同様に、阪神電鉄の子会社である武庫川車両であるが、コンセプトデザインを含む設計全般は近畿車輛が担当しており、台車も住友金属製ではなく同社製のものを模した近畿車輛製となっている。
運転台に向かい左側に固定式オールクロスシート、右側にグループ旅客に配慮したボックスシートと、最大の魅力である窓向きのシートが8名分配置されている。
貴船もみじ灯篭が行われる期間中は市原~二ノ瀬間の『もみじのトンネル』がライトアップされる。この期間中、夜間にこの区間の走行時は車内灯が消灯され、非常に幻想的な風景を心から楽しむことができる。 2006年11月、これにテレビが取材に訪れた。同列車は、番組内でも非常に好評であった。
モーターは京阪大津線600形の昇圧対応工事の発生品が使用されている。また、叡電初のシングルアーム形パンタグラフが奇数車に2個装備されている。
2編成4輛が在籍し、塗色は第1編成(901-902)はメープルレッド、第2編成(903-904)はメープルオレンジをメインカラーとし、沿線の紅葉をイメージしたカラーリングも非常に好評である。
ちなみに、叡電は毎年10月22日に行われる鞍馬の火祭への旅客輸送に出町柳~鞍馬を直通する電車を2輛編成の車輛を全車投入する特別体制で臨んでいるが、本形式は車内構造が輸送力列車に適さないことから夕方(16時~17時)からは鞍馬への運用から外れ、夕方以降(17時~20時ごろまで)は出町柳~二軒茶屋の区間運転に用いられている。この時、不足する分(2編成分)は本来単行運転用のデオ700系を2輛連結して投入する事で混雑時の対応をしている。(2006年10月22日、確認)