化合物半導体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
化合物半導体とは、2つ以上の原子がイオン結合により結合してできる半導体である。一般的に、イオン結合は陽イオンと陰イオンとの強い静電引力によって絶縁体となる。しかし、陽イオンと陰イオンの組み合わせによっては、静電引力が弱く、半導体となる。この時、結晶構造は閃亜鉛鉱型やウルツ鉱型となる。化合物半導体となる元素の組み合わせは代表的なものにIII族とV族元素、II族とVI族元素があり、それぞれIII-V族半導体、II-VI族半導体と呼ばれている。
目次 |
[編集] 利点
化合物半導体は2つの元素を組み合わせるため、組み合わせを変えることによりたくさんの種類の半導体を作製することができる。電子移動度が大きいGaAsやバンドギャップの大きいGaNなど、優れた特性をもつものも多い。
[編集] 発光デバイス
発光ダイオードの色(放出される光の波長)はバンドギャップによって決まる。このため、さまざまなバンドギャップの半導体が求められる。化合物半導体はAlGaAsのように3つの元素を組み合わせることにより広い範囲の波長が実現できる。
[編集] 高電子移動度トランジスタ
高電子移動度トランジスタは、電子親和力の違う2つの半導体をヘテロ接合することにより作製される。一般的に、この2つの半導体は共に化合物半導体である。