剣山頂上ヒュッテ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
剣山頂上ヒュッテ(つるぎさんちょうじょうひゅって)は、徳島県美馬市木屋平川上の、西日本第2の標高の山である剣山山頂直下に位置する山小屋。標高1920m地点にある。本館である「剣山頂上ヒュッテ」と別館である「雲海荘」がある。よほどの混雑時でない限り、追加料金無しで少人数でも個室としてくれる。本館の窓や前庭からご来光が望める好立地にあるが、すぐ裏に登ると展望テラスがあり、より展望が良い。
目次 |
[編集] 歴史
本館は1955年に開設された。当初は平屋だった。1963年には隣の剣山測候所(2001年に廃止)に電気供給用の地下ケーブルが通じたために、この山小屋にも電気が供給されるようになり、山頂の山小屋にもかかわらず、一晩中電灯が点灯できる。(この周辺の村に電気が供給されるよりも、この小屋の方が早かった。)この電気を利用して1966年からは電動ポンプにより飲料水のポンプアップがはじまり、水にもそれほど不自由しなくなった。そのため現在、小屋には水洗トイレと宿泊者用の風呂がある。1969年には、現在別館となっている雲海荘が完成するが、この時は別経営だった。同経営となり別館となったのは1982年のことである。1969年には電気と同じ理由で周辺の村よりも早く電話が開通する。山小屋に良く採用されていた無線電話であるが、当時は周辺に電話局が無かったために徳島から電波を飛ばしたために、市外局番は徳島局のものとなり、衛星電話が主流になった現在も徳島からの無線電話は継続している。1970年に登山リフトが完成したことにより、容易に訪問できることが可能になり、日帰り登山も増加したが、山頂でご来光や日没を望みたい人に根強い人気がある。1972年には本館の2階部分が増築される。2000年には本館が増築され、トイレが焼却形となる。当時は全国各地の山で山小屋のトイレの汚物処理問題が騒がれていた時期で、先進的な取り組みであった。
[編集] 設備
本館「剣山頂上ヒュッテ」に宿泊受付がある。1階は食堂や売店、トイレや風呂などがある。2階が宿泊用の部屋と乾燥室である。東側の部屋は展望が良く、部屋に居ながらにして容易にご来光を望むことができるが、できることなら屋外でご来光を望むべきであろう。
別館「雲海荘」は2階が入り口になっている。2階に食堂と売店、大部屋、トイレがある。大部屋は団体受け入れや混雑時の相部屋として使用される。1階には宿泊用の部屋と風呂・トイレがある。南側の部屋の展望が良く、斜面に面して建っているため、谷の底の方まで部屋から展望できる。ご来光を部屋から望めない代わりに日没を見ることができる。
基本的に別館・雲海荘は本館が満室の時に使用されるが、本館がある程度埋まった場合は、特に希望があれば雲海荘で宿泊できる時もあるようである。
両館とも電気やポンプなどに故障等のない限り風呂に入浴できる。なお、雲海荘の風呂は近畿以西で一番標高が高い場所にある風呂である。環境保護のため、石鹸・シャンプー等の使用はできない。通常の電気が通じているために、消灯時間とされている21時以降も電灯を点灯することができる。
[編集] 小屋のデータ
※2006年8月現在
- 定員
- 150名
- 営業期間
- 4月28日~11月23日
- 宿泊料金
- 1泊2食つき 7000円
- 素泊まり 4300円
- 水場
- あり
- テント場
- なし