分部光信

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』

分部 光信（わけべ　みつのぶ、天正19年（1591年） － 寛永20年2月22日（1643年4月10日））は、伊勢上野藩の第2代藩主。近江大溝藩の初代藩主。父は長野正勝（光信は長男）。母は分部光嘉の娘。正室は渡辺久勝の娘。酒井重忠の娘。官位は従五位下。左京亮。

幼名は竜之助。1600年、関ヶ原の戦いの際には分部氏本家によって同じ東軍に属した富田信高への人質として差し出された。1601年から徳川氏に仕える。同年に先代藩主の光嘉が死去する。光嘉の長男・分部光勝は早世していたため、娘婿に当たる長野正勝の子・光信が養嗣子として後を継ぐこととなった。光信は二条城や駿府城、大坂城、佐和山城の普請で功を挙げた。1604年6月22日には叙任している。1614年の大坂冬の陣では本多忠政に属して功を挙げ、翌年の夏の陣でも功を挙げたため、1619年8月に近江大溝藩に移封された。

1626年、徳川家光の上洛に従う。1634年、織田信長によって焼き討ちされていた比叡山延暦寺の復興奉行を務めた。藩政では領民に金子を分配するなど、善政を敷いたと言われている。1642年5月に病に倒れ、翌年2月22日に53歳で死去。後を三男の分部嘉治が継いだ。法号：順翁宗曲泰雲院。墓所：京都市北区紫野の大徳寺搭頭の大慈院。