再生性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
確率分布の族における再生性(さいせいせい)とは、同じ分布族に含まれる確率分布を持つ2つの独立な確率変数に対して、その和の確率分布もまた同じ族に含まれる性質のことを言う。
目次 |
[編集] 定義
分布族を考える。
任意の確率分布に対して、Fiに従う互いに独立な確率変数をXiとおく (i = 1,2) 。これをXi˜Fiと書く(以下同様)。
このとき、X1 + X2の確率分布Fがを満たすならば、分布族は再生性を持つという。
ある分布族が再生性を持つということは、その分布族が畳み込み演算について閉じていることを意味する。
[編集] 再生性を持つ分布族
以下で用いられる2つの確率変数X1、X2は互いに独立であると仮定する。
[編集] 正規分布
[編集] コーシー分布
コーシー分布に従う2つの確率変数の和は、再びコーシー分布に従う。
[編集] ガンマ分布
尺度母数θが異なる場合は当てはまらない。
特にk1,k2が整数である場合はアーラン分布を表し、このことからアーラン分布も再生性を持つことが分かる。同様に、k1,k2が半整数である場合はカイ二乗分布に相当し、同様に再生性を持つ。
[編集] 二項分布
確率pが異なる場合は当てはまらない。